AIエージェントチケットは、完全にAIエージェントまたは基本のメッセージング応答によって処理されたメッセージングの会話に対応するチケットです。つまり、人間のエージェントにエスカレーションされていない、またはこれまで一度もエスカレーションされたことのない会話が対象です。エージェントと管理者は、エージェントワークスペースでAIエージェントチケットを表示できます。
AIエージェントチケットには、以下のようなメリットがあります。
- 人間のエージェントを介さずに処理されたカスタマーリクエストを特定できる。AIエージェントチケットを検索したり、ビューを作成したりすることで、人間のエージェントの関与なしに進行中または解決された問題のタイプをすばやく把握できます。
- カスタマーとのやりとりの履歴を把握できる。AIエージェントチケットは、以前にAIエージェントとやりとりしたカスタマーのインタラクション履歴に表示されます。これにより、チケットを引き継いだエージェントは、これまでの対応内容を把握したうえで対応できます。
- 会話の監査により、AIエージェントの応答を分析できる。AIエージェントとカスタマー間の会話全体を確認することで、応答の内容を把握し、改善が必要な点を特定できます。
- 自動解決の状況を可視化できる。解決済みまたは終了済みのAIエージェントチケットを確認し、自動解決としてカウントされたインタラクションが適切に処理されているかどうかを検証できます。
AIエージェントの会話をエージェントワークスペースでチケットとして表示する(4:17)
この記事では、次のトピックについて説明します。
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AIエージェントチケットについて
AIエージェントチケットは、Essential、Advanced、旧バージョンを含むすべてのZendesk AIエージェント機能レベルや、サードパーティ製のボットに対して作成できます。AIエージェントチケットは、基本的なメッセージングの応答についても作成されることに注意してください。
カスタマーがAIエージェントと(または単にWeb Widgetで)メッセージングの会話を開始すると、AIエージェントチケットが作成されます。AIエージェントチケットは常に読み取り専用です。
会話が人間のエージェントにエスカレーションされない限り、その会話はAIエージェントチケットとして扱われます。AIエージェントチケットが人間のエージェントにエスカレーションされると、そのチケットはAIエージェントチケットとはみなされなくなり、通常の編集可能なチケットになります。
AIエージェントとの会話が進行中の間、AIエージェントチケットは「オープン」ステータスのままです。会話は、次のいずれかの条件を満たすと進行中ではなくなります。
- 最後の応答から4日が経過した場合
- AIエージェントが制御を手放し、会話が「解決済み」とマークされた場合
- (サードパーティ製ボットのみ)ボットのロジックによって会話が解決と判断された場合
これらの条件を満たすと、AIエージェントチケットは「解決済み」ステータスに移行し、その後ビジネスルールに基づいて「終了」ステータスになります。
AIエージェントチケットは、「解決済み」または「終了」ステータスになっている場合にのみ削除できます。これにより、進行中のAIエージェント会話のチケットが誤って削除されるのを防ぐことができます。
AIエージェントチケットは、自動化やトリガなど、ビジネスルールに基づく既存のワークフローには影響しません。これらのワークフローは通常のチケットにのみ適用され、AIエージェントチケットには適用されないためです。ただし、AIエージェントチケットが人間のエージェントにエスカレーションされると、これらのワークフローは通常どおり適用されるようになります。AIエージェントチケットがエスカレーションされた場合、チケットのステータスは「オープン」から「新規」に戻され、他の新規チケットと同様に処理されるようになります。
AIエージェントチケットは、アカウントのデータストレージ制限にカウントされます。必要であれば、チケット削除スケジュールを作成し、AIエージェントチケットを削除対象に指定できます。
AIエージェントチケットの機能を有効/無効にする
AIエージェントチケットの機能を有効/無効にするには
-
管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 「設定を管理」をクリックします。
- 「AIエージェントの会話をエージェントワークスペースでチケットとして表示」セクションをクリックして展開します。
- 「AIエージェントの会話をチケットとして有効にする」を選択または選択解除します。

- 「設定を保存」をクリックします。
AIエージェントチケットを特定する
AIエージェントチケットと通常のチケットを視覚的に区別できるように、AIエージェントチケットには以下のような視覚的識別子が表示されます。
- チケットタブにボットアイコンが表示されます。
- チケットヘッダーに「AIエージェント」バッジが表示されます(フィルターは表示されない)。
- チケットのプロパティパネルのすべてのフィールドがグレー表示されます。
- テキスト入力欄とマクロのメニューが非表示になります。
- チケットのフッターに、これがAIエージェントチケットであること示すメッセージが表示されます。
エージェントと管理者がSupportのビューや検索結果でAIエージェントチケットを識別できるように、「担当者」列にAIエージェントチケットのボットアイコンが表示されます。

Supportでは、AIエージェントの担当者に関連付けられたプロフィールは閲覧担当のロールに割り当てられています。
Zendeskの分析機能を使用すると、カスタムレポートで「チケットサポートタイプ」属性を基に、AIエージェントのチケットを特定するレポートを作成できます。
AIエージェントチケットの機能制限について
AIエージェントチケットには通常のチケットと異なる機能制限と注意事項があります。以降のセクションで詳しく説明します。
機能制限
以下の機能は、AIエージェントチケットが人間のエージェントにエスカレーションされるまで利用できません。エスカレーションされると、チケットは通常の編集可能なチケットとして扱われるようになります。
- 継続中のAIエージェント会話のチケットの削除
- チケットのプロパティの編集
- 公開コメントまたは社内メモの追加
- マクロを適用する
- トリガと自動化
- SLA
- オムニチャネルルーティング
- スキル計算
- チケットの割り当て/再割り当て
- 一括編集
- チケット共有
- カスタムチケットステータス
- 問題と事象との関連付け
- チケットデータのエクスポート
- チケットの統合
- オートアシスト(アクションを含む)
- AIによる個人データの墨消し提案
- created_at イベントに依存するワークフロー
- インテグレーション内のドメインレベルのイベント
- Zendesk Appsフレームワーク(ZAF)アプリ
さらに、AIエージェントチケットは次の場所には表示されません。
- エージェントホーム
- Exploreのレポート
- チケットを一覧表示するAPIの出力(例:ここにリストされているエンドポイント)
Sunshine Conversationsの注意事項
以下のSunshine Conversationsの注意事項がAIエージェントチケットに適用されます。
- 既存の会話は、AIエージェントチケットとして後から登録されることはありません。
- 新しいzd:agentWorkspaceの各会話からは通常のチケットが生成されます。
- 新しいzd:agentWorkspace以外の各会話からは、AIエージェントチケットが生成されます。
- ユーザーデータは、AIエージェントチケットのステータスが「解決済み」にマークされたか、またはチケットがエージェントにエスカレーションされた場合に同期されます。
- releaseControlアクションは、関連付けされたAIエージェントチケットを「解決済み」としてマークします。