音声通話サポートの計画策定が完了したら、音声通話チャネルを導入できる段階です。この記事では、組織に音声通話チャネルを導入するためのヒント、適任なエージェントの採用方法、さらに顧客をより効果的にサポートするために役立つ各種機能の活用方法について説明します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
電話サポートの導入
電話サポートを組織に導入する際に役立つヒントを以下に示します。
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導入は段階的に
- Webサイトですぐに電話番号を公開することはしません。電話番号は、ヘルプセンターの特定の記事にだけ表示します。
- サポートの電話番号を、選ばれたVIP顧客のみに知らせます。
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IVRを使用してコール数を削減する
- お客様とエージェントの時間を節約するために、よくある質問への回答を録音して提供します。
- IVRのテキスト機能を使用してテキストメッセージへの呼び出しを削減します。
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ボイスメールボックスを作成する
- お客様がボイスメールを残せるようにし、エージェントが後で時間のあるときに電話、メール、またはテキストメッセージでフォローアップします。
人材配置とトレーニング
世界最高の技術をもってしても、サービスの最も重要な部分は人と人との交流であることは間違いありません。そのため、サービスを成功させるには、適切な人材の雇用が不可欠です。他の人を助けることに情熱を持っている人を採用し、サポート製品と顧客への対応の両方をトレーニングします。
成功に向けてエージェントをトレーニングする
企業やエージェントによって、必要なトレーニングは異なる場合があります。ただし、すべてのエージェントが共通して身につけるべき基本的な知識として、次のようなものがあります。
- エージェントにZendesk製品の使い方を説明する(無料のエージェントのトレーニングコースを参照)
- 製品やサービスに関する社内ナレッジベースを作成し、エージェントが必要な情報にすぐにアクセスできるようにする
- 顧客対応マナー(ソフトスキルとも呼ばれる)についてエージェントをトレーニングする
- エージェントの通話録音を確認する(「録音オプションの管理」を参照)
- コールモニタリングを活用して、その場でフィードバックを提供する(「アクティブコールダッシュボードでのコールの監視」を参照)
共感的な電話サポートを行なうためのヒント
エージェントに、人とのコミュニケーションに関する次のベストプラクティスを周知徹底します。
- ミラーリング:話をよく聞いて、相手の状況に合わせて対応する。急いでいる相手には、楽しいおしゃべりは不要です。雑談を楽しみたい相手は、急かされたくありません。
- 確認する:正しい答えであっても、顧客が求めている答えとは異なる場合があります。顧客の反応を待ち、主張に耳を傾け、心配事に対処してから、正しい答えをもう一度伝えましょう。
- 安心してもらう:問題を理解し、電話をかけてきた理由を理解したことを相手に伝えます。顧客は話を聞いてもらえたと安心します。
- 傾聴する:相手の怒りを発散させることで、電話が短く、やりとりがスムーズになることがよくあります。会話を軌道に戻そうとして、顧客の話をさえぎらないこと。頻繁かつ無理やり顧客の話を中断すると、話をさらに長引かせることになります。相手の言い分に耳を傾けましょう。
- 要約する:相手を受けとめながら、顧客が説明した内容を復唱します。このようにすることで、問題を理解したことを相手に印象付けます。
- コミュニケーションをとる:通話を保留にしてもよいか顧客に確認し、お待たせする時間の目安を伝えます。時間がかかりそうな場合はいったん保留を解除し、長引きそうであることを顧客に伝えます。待ち時間の目安を伝えることで、待たせている相手の不満を軽減できます。
共有モデルまたは専用モデルの使用
ある企業では、音声通話、メールサポート、チャットのいずれかのスキルを持ったエージェントを配置するのが最適かもしれません。また、別の企業では、エージェントが3つのチャネルすべてをマルチタスクで処理する方が適しているかもしれません。各チャネルのコール量、利用可能なエージェントの人数、およびエージェントのスキルを検討し、最適な方法を判断します。

音声通話の機能を最大限活用する
エージェントがお客様をより効果的にサポートできるようにする機能が多数用意されています。効率を改善するために、これらの機能を実装することを検討してください。
このトピックには、次の機能の使用に役立つヒントが含まれています。
- 発信電話番号を設定する
- メッセージを設定する
- ボイスメールを設定する(Team、Professional、Enterpriseプラン)
- IVRを使用する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
- グループ宛にコールを転送する(Team、Professional、Enterpriseプラン)
- キューからの折り返し電話を使用する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
- 優先電話番号を設定する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
- オーバーフローと時間外ルーティングを使用する(Professional and Enterprise Talk)
- フェイルオーバーを設定する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
- 電話番号をブロックする
- 電話会議を使用する(ProfessionalおよびEnterprise)
発信電話番号を設定する
顧客に電話をかけるときに発信元IDとして表示される電話番号を選択します。これにより、次のことが可能になります。
- 相手が電話に出やすいように、市内局番または無料通話番号を表示する
- ブランド体験とそれぞれに地域に合わせたサポート経験を提供する
詳細は、「発信コール用の発信元IDの標準化」を参照してください。
メッセージを設定する
さまざまな状況に応じて発信者に再生される各種応答メッセージを設定できます。たとえば、メッセージでボイスメールや対応可能なエージェントを案内したり、保留音を流したり、折り返し電話をするかどうかを確認したりすることができます。メッセージの設定に関するヒントは次のとおりです。
- メッセージをカスタマイズします。会社やサービスに関する案内を含めることで、メッセージをブランドと関連付け、相手の関心をそらさないようにできます。
- メッセージはあまり長くならないようにします。あまり長く待たせると電話を切られてしまいます。
詳細については、「応答メッセージの管理」を参照してください。
ボイスメールを設定する(Team、Professional、Enterpriseプラン)
電話に応答できない場合は、ビルトインのボイスメールを使用します。カスタマーがボイスメールにメッセージを残した場合、そのボイスメールが添付されたチケットが作成されます。さらに、ボイスメールの内容をテキスト化してチケットに表示させることもできます。
ボイスメールを残すように求める場合は、エージェントが顧客を支援するために必要な情報(アカウント番号、折り返し電話が可能な時間帯、問題の種類など)を残していただくように伝えます。また、通常の営業時間やその他のサポートオプション(セルフサービスなど)などの情報を顧客に提供し、電話を切った後の行動について、顧客が情報に基づいた決定を下せるようにします。
また、営業時間外にボイスメールを無効にし、時間外にかかってきた通話を別の電話番号に転送することもできます。
詳細については、「ボイスメールオプションの構成」を参照してください。
IVRを使用する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
マルチレベルの自動音声応答(IVR)(通話の経路指定)は、顧客を適切なエージェントまたは部署に転送し、よく尋ねられる質問に対しては、あらかじめ録音したメッセージで応答します。顧客は、サポートとのやりとりをテキストメッセージに切り換えることも可能です。IVRを最大限活用するためのヒント:
- 電話をかけてきた理由を選べるようにする。例:「販売に関するお問い合わせは1を、使い方のご質問は2を押してください。」
- IVRオプションの数は5個程度、レベルの数は3個程度に抑えます。IVRに費やす時間が長くなると、顧客がイライラしやすくなるためです。
詳細については「IVRによる着信コールの転送」を参照してください。
グループ宛にコールを転送する(Team、Professional、Enterpriseプラン)
たとえば、組織内の特定のエージェントグループが、特定の顧客により適したスキルを備えている場合があります。このような場合は、これらのエージェントグループにのみコールが転送されるように専用の電話番号を設定することができます。最も長くアイドル状態であったエージェントに最初のコールが転送されます。
詳細については、「エージェントのグループ別にコールをルーティングする方法」を参照してください。
キューからの折り返し電話を使用する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
通話を保留キューに入れて待機するか、折り返し電話をリクエストをするかを、カスタマーが選べるように設定できます。カスタマーが折り返し電話を要求した場合、カスタマーの順番がキュー内に確保され、エージェントが対応可能になったときに自動的に電話がかかってきます。これにより、次のことが可能になります。
- エージェントを増員せずに大量のコールを処理する
- コールの放棄や、コールの繰り返しを避ける
- 顧客満足度と初回コール解決率を大幅に向上させる
詳細については、「カスタマーに折り返し電話のリクエストを許可する方法」を参照してください。
優先電話番号を設定する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
特定の電話番号を優先電話番号として指定できます。これらの番号にかかってきた電話は、対応可能なエージェントのキューの先頭に送られます。この機能は、たとえば、有償契約のカスタマーをトライアル版ユーザーよりも優先したい場合などに使用します。これにより、次のことが可能になります。
- VIP顧客に提供するサービスレベルを差別化する
- 緊急のコールを優先する
詳細については、「Zendeskの電話番号の管理」を参照してください。
オーバーフローと時間外ルーティングを使用する(Professional and Enterprise Talk)
どのエージェントもコールを受けられない場合(たとえば、オフラインになっている場合や、すべてのエージェントがコールを拒否した場合)、これを「オーバーフロー」コールと呼びます。電話に誰も出なかったり、ボイスメールに送信されることは、電話をかけてきた側にとっては不満な経験となります。
ユーザーの利便性を考え、Zendeskに追加したすべての電話番号(外部の電話番号を除く)にオーバーフロー電話番号を追加することを検討してください。
エージェントからの応答がなく、ボイスメールがオフになっている場合、コールはオーバーフロー番号に転送されます。オーバーフロー番号とは、外部サポート組織の番号、または営業時間外や休日に使用するオンコールエージェントの番号などです。
詳細については、「Talkによるオーバーフローと時間外ルーティングの管理」を参照してください。
フェイルオーバーを設定する(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
- コールをボイスメールボックスに転送する。コールの音声が文字に起こされ、メールが作成されます。このメールがZendeskに転送されると、チケットが作成されます。
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コールをGoogle Voiceの電話番号に転送し、次のことを実行する。
- コールをボイスメールボックスに転送し、コールの音声を文字に起こしたメールを作成して、Zendeskに転送します。転送されたメールからチケットが作成されます。
- サービスを利用できない場合でも顧客をサポートできるように、最大6人のエージェントにコールを転送します。
- メッセージを再生する。たとえば「技術的な問題が発生しました。解決するには、ヘルプセンターにアクセスしてください。」といったメッセージを流します。
- フェイルオーバー時の電話番号には、コール量を処理できる番号を必ず選択してください。
- フェイルオーバーは、音声プロバイダーTwilioがZendeskと通信できない場合に、自動的に起動します。
- Twilio自体に障害が発生した場合は、フェイルオーバーは自動的には起動しません。ただし、Zendeskカスタマーサポートにご連絡いただければ、Zendeskがフェイルオーバーを手動で起動します。
フェイルオーバーの設定の詳細については、「Zendeskの電話番号の管理」を参照してください。
電話番号をブロックする
コールセンターの運営では、迷惑(スパム)コールをブロックする必要が出てくるかもしれません。電話番号は個別にブロックできるほか、条件を使用して複数の番号を一括でブロックすることもできます。これにより、エージェントの手間を省くことができます。
詳細については、「迷惑コールのブロック」を参照してください。
電話会議を使用する(ProfessionalおよびEnterprise)
時には、対応しているコールの内容について、他のエージェントに相談したほうがよさそうな場合があります。他のエージェントと相談している間、発信者を保留にしたり、コールをエージェントに転送することもできます。さらに、他のエージェントを電話会議に招待することもできます。
他のエージェントやマネージャー、外部の関係者を、進行中のコールに参加させることができます。この機能を使用して、以下のことを行なうことができます。
- 問題を迅速に解決するために、専門家またはマネージャーに相談する。
- 顧客が適切な担当者から迅速にサポートを受けられる
電話会議の使用について詳しくは、「電話会議に第三者を招待する方法」を参照してください。
次のステップ
この記事は、ベストプラクティスシリーズの一編です。シリーズの他の記事は、以下のリンクをクリックしてお読みいただけます。
- 音声通話サポート計画のベストプラクティス
- 音声通話サポート導入のベストプラクティス(この記事)
- 音声通話サポートの監視・保守のベストプラクティス
詳しくは「音声通話サポートに関するリソース」も参照してください。