チャットのルーティング設定で、オンラインチャットリクエストの着信をエージェントに知らせる方法を指定することができます。これらの設定には、Chatダッシュボードからアクセスできます。
この記事では、次のトピックについて説明します。
基本の通知ルーティングオプションの概要と設定
チャットリクエストの着信を知らせる通知をエージェントに送信するには、次の2つの方法があります。
- 一斉送信:すべてのエージェントに、すべてのリクエスト着信通知が届きます。エージェントは「リクエストに応対」をクリックしてリクエストの処理を開始する必要があります。これはデフォルトの設定です。
- 自動割り当て:オンラインエージェントには、リクエストの着信通知が均等に振り分けられます。つまり、1件のリクエスト着信通知は1人のエージェントにのみ送られます。
リクエストは、チケットが作成された時刻に基づいて、時系列でキューに追加されます。エージェントがオフラインのときに受け取ったリクエストは、「未割り当てのチケット」ビューまたはエージェントの「グループ」ビューに送られます。オフラインのリクエストは、トリアージの一環としてエージェントに割り当てることも、エージェント自身が手動で受け取ることもできます。
Zendeskエージェントワークスペースでは、オンラインチャットのリクエスト着信通知がワークスペースの右上の「応答する」ボタンに表示されます。
エージェントワークスペースを有効にしていない場合、Chatダッシュボードの下部に自動割り当てのオンラインチャットリクエストが表示されます。
- Chatダッシュボードから、「設定」>「ルーティング」を選択します。
- 「チャットのルーティング」セクションで、通知のルーティング方法を選択します。
- 「変更を保存」をクリックします。
チャットの割り当て制限を設定する
Chatの制限では、エージェントの負荷に応じて、各エージェントに割り当てられる通知や一斉送信される通知の数に上限を設けることができます。この制限の値を調整することで、エージェントがサービスリクエストの量や複雑さをより適切に管理できるようになります。
エージェントに負荷がどれだけかかるかは、割り当てられたアクティブなオンラインチャットリクエストの数によります。過去10分以内に応答があったリクエストは、アクティブと見なされます。
- 一斉送信の場合:割り当てられたリクエスト数の制限に達すると、リクエストの着信がエージェントに通知されなくなり、リクエストを処理するための「リクエストに応対」ボタンまたは「応答する」ボタンをクリックできなくなります。
- 自動割り当て:エージェントには、自分のチャット制限の上限までしか着信チャットの通知がルーティングされません。
- アカウント:対応できるチャットは1つのみです。この制限はアカウント内のすべてのエージェントに適用されます。
- エージェント:通知の制限は各エージェントのプロフィールで設定します。エージェントの制限を、管理者だけが設定できるようにするか、エージェント各自が制限を設定できるようにするかを指定できます。
通知の制限を有効にするには
- Chatダッシュボードから、「設定」>「ルーティング」を選択します。
- 「チャットの割り当て制限」で「オン」を選択します。
- 「適用先」の横にある「アカウント」または「エージェント」を選択します。
- 「アカウント」を選択した場合は、「最大チャット数」フィールドに値を入力します。
- 「エージェント」を選択した場合は、各エージェントのプロフィールで制限を設定します。
- ルーティング方法が「自動割り当て」の場合は、エージェントが自分で通知の制限を設定できるよう、エージェントのプロフィールに「エージェントごとに設定」チェックボックスが表示されます。
- 「一斉送信」ルーティング方法を使用しているか、または「自動割り当て」を使用していて「エージェントごとに設定」チェックボックスをオンにしていない場合は、エージェントのプロフィールでチャット制限を設定します。「設定」>「エージェント」で、編集するエージェントを選択し、「チャット制限」フィールドに値を入力します。
- 「変更を保存」をクリックします。
自動割り当て通知のルーティングの動作の概要
「自動割り当て」ルーティングがアクティブになっている場合、チャット通知はデフォルトで次のようにルーティングされます。
- まず、着信リクエストは、現在対応中の会話の数が最も少ないエージェントに割り当てられる。
- 会話の数が最も少ないエージェントが複数いる場合、着信リクエストは、過去15分間に未対応の割り当てがないエージェントに割り当てられる。
- 対応可能なエージェントのうち、複数のエージェントが過去15分間に未対応の割り当てがない場合、またはすべてのエージェントが過去15分間に未対応の割り当てがある場合、着信リクエストは最も古い最後の未対応の割り当てのタイムスタンプを持つエージェントに割り当てられる。
- 対応可能なすべてのエージェントがまだリクエストを処理していない場合、着信リクエストはランダムにエージェントに割り当てられる。
すべてのエージェントがオフラインのときは、通知は送られません。後からリクエストの優先順位付けが手動で行われた場合、エージェント自身または所属グループにリクエストが割り当てられたときに、エージェントに通知が届きます。
さらに、スキルベースルーティング、割り当て制限解除モード、またはチャットの再割り当てを有効にすると、割り当てられた通知の動作に影響を与える可能性があります。詳細については、「追加の自動割り当てルーティングを設定する」を参照してください。
追加の自動割り当てルーティングを設定する
自動割り当てのルーティング方法を選択した場合、さらに構成できる追加設定があります。
スキルベースルーティングを設定する
割り当て制限解除モードを設定する
「割り当て制限解除モード」の設定は、通知リクエストが「自動割り当て」であり、チャット制限を設定済みである場合にのみ利用できます。
「割り当て制限解除モード」では、エージェントがチャット制限に達した場合でも、任意にリクエストに対応することができます。
この設定をアクティブにすると、エージェントがチャット制限に達していて、新しい受信チャットリクエストを別の応対可能なエージェントが引き取れなかった場合に、制限に達したエージェントに受信チャットの通知音が聞こえ、「リクエストに応対」/「応答する」ボタンに表示されるキューのリクエストの数が1つ増えます。「リクエストに応対」/「応答する」ボタンは点灯しません。
割り当て制限解除モードを有効にするには
- 「設定」>「ルーティング」に移動します。
- 「割り当て制限解除モード」セクションで「割り当て制限解除を許可」チェックボックスを選択します。
- 「変更を保存」をクリックします。
再割り当てを設定する
「再割り当て」の設定は、「自動割り当て」ルーティングを使用している場合にのみ利用可能です。
この設定をアクティブにした場合、再割り当てタイムアウト時間が各受信チャットリクエストに付加されます。最初にチャットリクエストを割り当てられたエージェントが、割り当てタイムアウトの前に応答しなかった場合、その受信チャットリクエストは、エージェントのキャパシティと設定されたチャット制限に応じて、応対可能な次のエージェントに再割り当てされます。リクエストは、他のすべての適格かつ応対可能/オンラインのエージェント全員にルーティングを試みた後で、最初のエージェントに再びルーティングされます。
このオプションが有効でない場合(「再割り当て」が「オフ」に設定されている場合)、一度エージェントに割り当てられたリクエストが、別のエージェントに自動的に再割り当てされることはありません。
- 「設定」>「ルーティング」に移動します。
- 「再割り当て」の横にある「オン」を選択します。
- 「再割り当てタイムアウト」フィールドで、タイムアウトの秒数を設定します。たとえば、15秒間応答がなかった場合にリクエストを再割り当てする場合は、「15」と入力します。
- 「変更を保存」をクリックします。
自動アイドルステータスの設定
この設定が適用されるのは、自動割り当てのルーティング方法を選択し、上記の再割り当てを有効にしている場合のみです。
この設定を有効にすると、自動再割り当てされた通知が指定した数に達すると、チャットエージェントのステータスが自動的に「離席中」にセットされます。このステータス変更は、エージェントに通知されます。
自動アイドルステータスを有効にするには
- 「設定」>「ルーティング」に移動します。
- 「自動アイドル」の横にある「オン」を選択します。
- 「再割り当てされたチャット数」フィールドに値を入力します。
- 「アイドルステータス」の横にあるオプションを選択します。
- 「変更を保存」をクリックします。
分析を使用してオンラインチャットのルーティングを監視する
- 受け入れ:エージェントに転送された割り当てチャットのうち、エージェントが応対したチャットの割合
- キャパシティ(ベータ):所定の期間中にアカウントが応対可能なチャットの予測数。キャパシティは、1)ログインしたエージェントの数、2)アカウントの平均チャット時間、3)エージェントが設定したチャット制限の関数です。