Zendeskの設定にApple Messages for Businessを追加することで、エンドユーザーはAppleデバイスのメッセージアプリで、担当エージェントとUltimate AIエージェントの両方に接続することができます。Apple Messages for Businessは、企業がユーザーのプライバシーとセキュリティを保護しながら、Appleデバイスを使用するカスタマーにリッチで魅力的なメッセージング機能を提供できるように設計されています。
この記事では、次のトピックについて説明します。
Apple Messages for Businessについて
Apple Messages for Businessを使用すると、Apple MessagesからZendeskアカウントに送信されたエンドユーザーのリクエストは、メッセージング設定に従って処理され、エージェントワークスペースにチケットが作成されます(Ultimate AIエージェントがリクエストを解決しない場合)。
担当エージェントとUltimate AIエージェントは、エージェントワークスペースでAppleメッセージのビジネス用のチケットを他のチケットと同様に表示して対応することができます。さらに、Apple Messages for Businessエージェント向けの充実した会話機能を使って、双方向性の高いカスタマーエクスペリエンスを提供できます。
Appleが提供するこれらの機能の詳しい情報については表内の各リンクを参照し、カスタマーとのインタラクションでこれらの機能を使用する方法の詳細については「エージェントワークスペースでのAppleメッセージの操作」を参照してください。
機能 | 説明 | エンドユーザーエクスペリエンスの例 |
---|---|---|
リッチリンクメッセージ |
担当エージェントまたはUltimate AIエージェントが送信したURLは、リッチリンクとして認識され、送信されます。 リッチリンクメッセージが正しく機能するには、対象のWebサイトでOpenGraphタグを使用する必要があります。 |
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クイック返信メッセージ | エンドユーザーにクイック返信の選択肢を送信します。オプションを2~5個含む応答に最適です。 | ![]() |
リストピッカーメッセージ | 送信および受信のリストピッカーと画像に対して、単一選択、複数選択、アイコン付きの複数選択が可能です。オプションが5つ以上ある場合、各オプションでより多くの情報を提供したい場合、またはオプションに画像を含めたい場合に適しています。 | ![]() |
タイムピッカーメッセージ | タイムピッカーとアイコンをエンドユーザーに送信し、商談予定をカレンダーに追加したり、マップ上に表示したり、カレンダーの予定の重複を表示したりすることができます。 | ![]() |
Apple Payメッセージ | Apple Payによる支払いリクエストをエンドユーザーに送信します。 | ![]() |
認証メッセージ | OAuth2インライン認証をエンドユーザーにリクエストします。 | ![]() |
iMessageアプリ | 高度な会話のインタラクションを可能にするiMessageアプリをサポートします。 | ![]() |
フォームメッセージ | プリセットのフォームをエンドユーザーに送信します。 | ![]() |
Construct Payload API | リッチリンクのインタラクションにおけるApp Clip用のConstruct Payload APIをサポートします。 | ![]() |
ZendeskでApple Messages for Businessを使用するための要件
Apple Messages for Businessでは、Apple Messages for Businessチャネルをロールアウトする前に、すべてのビジネスをAppleに登録する必要があります。Appleは、Apple Messages for Businessを使用するすべてのブランドにおいて質の高い会話エクスペリエンスを提供できるように、厳格なプロセスを維持しています。実装する際には、包括的なオンボーディングプロセスを実施する必要があります。エンドツーエンドの要件チェックリストは、こちらでご覧いただけます。詳細については、Appleの「Getting Started with Apple Messages for Business」ページをご覧ください。
登録プロセスを開始するには、まずAppleで社内テストアカウントを作成します。体験レビューを完了すると、Appleは社内テストアカウントをApple Business Registerの商用アカウントに変換します。住所やロゴなどのブランド情報をAppleに提出して承認を受ける必要があります。このプロセスでは、メッセージングサービスプロバイダーを選択するよう求められます。Zendeskは、Appleからメッセージングサービスプロバイダーとして認定を受けており、Apple Messages for Businessのニーズに応えるサービスとソリューションを提供しています。登録プロセスの最後に、Sunshine Conversationsに接続するための固有のMessages for Business IDが発行されます。
Appleの要件に加えて、Zendeskアカウントでは、Zendesk SuiteまたはSupport Suiteプラン、またはChatをアクティブにしたSupportスタンドアロンプランでメッセージングを使用する必要があります。
管理センターでApple Messages for Businessチャネルを追加する
アカウントが上記の要件を満たしたら、ZendeskアカウントにApple Messages for Businessチャネルを追加できます。
- 管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 「チャネルを追加」をクリックし、「Apple Messages for Business」を選択します。
- 「Apple Messages for Businessを追加」ページで、以下の情報を入力します。
- チャネル名:チャネルリストに表示される名前です。
-
Business ID:Messages for BusinessのアカウントIDです。このIDを取得するには、Apple Business Registerで「Messages for Businessアカウント」>「リンク」にアクセスしてコピーします。
- 「チャネルを追加」をクリックします。チャネルの設定ページが開きます。チャネルの設定を続けるか、または何も設定せずに「設定を保存」をクリックするか、または後で設定します。
何も設定しない場合、Appleメッセージから受信したエンドユーザーのリクエストは、アカウントの設定に従って担当エージェントまたはUltimate AIエージェントにルーティングされます。
Apple Messages for Businessチャネルを設定する
Apple Messages for Businessチャネルの設定ページには、以下の設定タブがあります。
Apple Messages for Businessの基本情報を設定する
「基本情報」タブには、以下のフィールドがあります。
-
チャネル名(編集可能):チャネルに割り当てられた名前。
-
Business ID(表示のみ):Messages for BusinessのアカウントID。
-
OAuthシークレット(編集可能):認証メッセージの確認用に作成されたOAuth(またはクライアント)シークレット。
「基本情報」タブを編集するには
- 管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 設定するApple Messages for Businessチャネルをクリックして、設定ページを開きます。
- 「基本情報」タブで、チャネル名またはOAuthクライアントシークレットを更新します。
- 「設定を保存」をクリックします。
自動応答機能を設定する
「応答」タブでは、エンドユーザーからのメッセージを受信した際に自動で返信を送る、自動応答機能を設定します。自動応答機能の使用と設定の詳細については、「ソーシャルメッセージへの自動応答の送信」を参照してください。
このタブには、Apple Messages for Businessチャネルに追加された会話ボットも表示されます。
Apple Messages for Businessチャネルで自動応答機能を使用するには
- 管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 設定するApple Messages for Businessチャネルをクリックして、設定ページを開きます。
- 「応答」タブをクリックします。
- 「自動応答機能を有効にする」をクリックし、エンドユーザーに返すメッセージを入力します。
- 「設定を保存」をクリックします。
「メッセージを送信」ボタンを設定する
「メッセージを送信」ボタンを、Webサイト、モバイルアプリ、ヘルプセンターにを追加すると、エンドユーザーがApple Messages for Businessのアカウントを見つけて接続できるようになります。
「メッセージを送信」ボタンを表示するには、ボタンのビジュアル要素を設定し、Webサイトやモバイルアプリの各ページにHTMLコードのスピネットを追加して、ボタンが表示されるようにする必要があります。
ビジュアル要素の設定
Appleが事前に承認したオプションを使用して、「メッセージを送信」ボタンの外観をカスタマイズできます。
「メッセージを送信」ボタンをカスタマイズするには
- 管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 設定するApple Messages for Businessチャネルをクリックして、設定ページを開きます。
- 「「メッセージを送信」ボタン」タブをクリックします。
- 以下のオプションを設定します。
- 言語:ボタンで使用する言語をドロップダウンメニューから選択します。
- スタイル:Appleが承認したメッセージのいずれかをドロップダウンメニューから選択します。このメニューのオプションは、上記で選択した言語によって異なります。
-
カラー:ダークまたはライトを選択します。
- 「設定を保存」をクリックします。これで、Webサイト、モバイルアプリケーション、またはヘルプセンターに「メッセージを送信」ボタンを追加できます。
「メッセージを送信」ボタンの追加
上述のオプションを設定した後、Webサイト、モバイルアプリ、またはヘルプセンターにコードスニペットを追加できます。
「メッセージを送信」ボタンをWebサイトやモバイルアプリに追加するには
- 管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 設定するApple Messages for Businessチャネルをクリックして、設定ページを開きます。
- 「「メッセージを送信」ボタン」タブをクリックします。
- コードスニペットをクリップボードにコピーします。
- ボタンを表示するすべてのページで、HTMLの終了タグの前にスニペットを貼り付けます。
「メッセージを送信」ボタンをZendesk Guideのヘルプセンターに追加するには
- 管理センターで、サイドバーの「
チャネル」をクリックし、「メッセージングとソーシャル」>「メッセージング」を選択します。
- 設定するApple Messages for Businessチャネルをクリックして、設定ページを開きます。
- 「「メッセージを送信」ボタン」タブをクリックします。
- コードスニペットをクリップボードにコピーします。
- Guideで、ページ上部の「Guide管理」をクリックし、サイドバーのデザインをカスタマイズアイコン( )をクリックします。
- 編集したいテーマで「カスタマイズ」をクリックし、「コードを編集」をクリックします。
- 「テンプレート」セクションで、変更したいテンプレートをクリックし、テンプレートの終了タグの前にスニペットを追加します。
- 「保存」をクリックします。
Apple Messages for Businessの追加機能
Zendeskの構成に追加したApple Messages for Businessには以下の機能が含まれます。
リッチメッセージの作成
エンドユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するために、リッチメッセージテンプレートを作成して、担当エージェントまたはUltimate AIエージェントがエンドユーザーに送信できるようにします。リッチメッセージテンプレートは、APIを使用するか、Zendesk Suite Professional以上のアカウントの場合は、Interactive Messaging Templatesアプリをインストールして作成できます。この無料アプリはZendeskと共同開発されたアプリです。
Interactive Messaging Templatesアプリをインストールすると、管理者はAppleおよびその他のチャネル用のリッチメッセージライブラリを作成でき、どのエージェントでもチケットパネル内でこれらのリッチメッセージを使用できます。
会話のクロージング
Apple Messages for Businessを使ってサポートに問い合わせを行ったエンドユーザーは、メッセージング会話の終了を選択をすることができます。これにより、担当エージェントおよびUltimate AIエージェントはApple Messages for Businessチャネルで会話を継続できなくなります。
エンドユーザーが担当エージェントとのメッセージング会話を終了した場合、以下のような状況になります。
- メッセージングセッションが終了します。
- テキスト入力欄では、その会話のApple Messages for Businessチャネルのオプションは非アクティブにされます。エージェントはメッセージング会話でエンドユーザーに応答できません。
- エージェントは他の利用可能なチャネルを通じてエンドユーザーに連絡できます。
- エージェントは当該のチケットに社内メモを追加できます。
- エージェントは必要に応じてチケットのステータスを更新できます。
- 終了した会話でエンドユーザーが返信を送信すると、新しいチケットが作成されます。
エンドユーザーがUltimate AIエージェントとの会話を終了した場合は、以下のような状況になります。
- Ultimate AIエージェントはエンドユーザーに返信を送信できません。
- 終了した会話でエンドユーザーが別の返信を送信すると、チケットがエージェントワークスペースに作成され、ルーティング設定に基づいて、担当エージェントまたはグループに割り当てられます。
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