Zendesk Guideを使用してカスタマーのためのヘルプセンターを構築すると、カスタマーがチケットを作成せずに問題を自分で解決するためのセルフサービスチャネルが作成されます。セルフサービスにより、エージェントが処理するリクエストを減らす(「チケットの削減」と呼ぶ)ことができるため、カスタマーサポート組織の規模を調整しやすくなります。
この記事では、セルフサービスチャネルの効果を測定するためのツールとメトリックを紹介します。この記事を最大限に活用するには、Guideを使用してセルフサービスコンテンツをカスタマーに提供し、ユーザーのアクティビティを測定する必要があります。
ナレッジベースのエンゲージメントメトリックの分析
ナレッジベースアクティビティの分析は、ExploreのKnowledge Baseダッシュボードから始まります。このダッシュボードで、管理者はナレッジベースの重要なエンゲージメントメトリックを測定することができます。
詳細については、「Exploreを使用したナレッジベースのアクティビティの分析」を参照してください。
検索エンゲージメントのメトリックの分析
探している情報をヘルプセンターで見つけられなかったら、セルフサービスチャネルはほとんど役に立っていません。ExploreのSearchダッシュボードには、カスタマーが何を検索しているか、検索した後にどのような行動を取るかを追跡するためのメトリックがあります。
詳細については、「Exploreを使用したヘルプセンターの検索結果の分析」を参照してください。
Googleアナリティクスによるヘルプセンターのトラフィックとアクティビティの監視
他のWebサイトと同様に、Googleアナリティクスを使用してヘルプセンターのトラフィックやアクティビティを追跡して分析することができます。Googleアナリティクスは、Webサイトのトラフィック、ユーザーのアクティビティ、ユーザーのエンゲージメントに関して業界標準のメトリックを提供します。Googleアナリティクスは、重要なアクティビティデータのスナップショットを提供するExploreのKnowledge Baseダッシュボードと併用することで、ヘルプセンターユーザーの重要なアクティビティやエンゲージメントのメトリックをさらに深く分析することができます。
これらのメトリックからは、ヘルプセンターを使用してどれだけのチケットが削減されたかを知ることはできませんが、ヘルプセンターでのコンテンツの使用と効果を包括的に理解することができます。
まず、Guide用にGoogleアナリティクスを設定します。そうすると、Googleアナリティクスアカウントでヘルプセンターのアクティビティを追跡できるようになります。
- ページ閲覧数:ヘルプセンターのページ閲覧数。閲覧数は、GoogleアナリティクスとZendesk SupportのKnowledge Baseダッシュボードの両方で追跡できます。
- ユニーク訪問者数:ヘルプセンターにアクセスしたユニーク訪問者の数です。ヘルプセンターへのアクセスは1回のセッションとしてカウントされ、通常、1つのセッションで複数のページが閲覧されます。ヘルプセンターにアクセスしているユーザーの数を追跡すると、指定した期間内の閲覧数の合計と比較することで、その使用状況を把握できます。月間のユニーク訪問者数1,000人に対して同期間のページ閲覧の合計数10,000を比較すると、ユーザーのページ閲覧数が1セッションあたり平均10ページであることがわかります。これは、セルフサービスのコンテンツを利用するカスタマーの数を把握するのに役立ちます。
- 新規セッションの割合:新規ユーザーとリピートユーザーのヘルプセンターの訪問回数を把握することで、ユーザーのニーズに応えるコンテンツを検討することができます。たとえば、新製品をリリースすると、新しいユーザーが急増する可能性があります。新製品を使用するために必要な情報を提供することで新しいユーザーに対応できます。
- 平均セッション時間:ヘルプセンターでのユーザーセッション平均時間でユーザーがヘルプセンターで費やした時間を把握でき、さらに詳しく分析を行えば、特定の記事やFAQを読むために消費した時間を確認することもできます。理想的には、ユーザーが十分な時間をかけて、提供した情報に目を通せることです。時間をあまりかけていないようだったら、コンテンツが魅力的ではないか、必要な情報が含まれていない可能性があることが分かります。
- ページ/セッション:これは、ヘルプセンターでのセッション中に閲覧された平均ページ数を示します。これも同じく、セルフサービスのコンテンツがどれだけ利用されているかを示します。
- 直帰率:ヘルプセンターの1つのページだけを見て離脱したユーザーの割合です。「直帰」とは、ユーザーがアクセスした最初のページを表示した直後にヘルプセンターを離れたことを意味します。ユーザーがたまたまヘルプセンターにアクセスした可能性もあります。あるいは、ヘルプセンターで見たものが気に入らなかったのかもしれません。
Googleアナリティクスでは、ユーザーが何を検索しているのか、その検索後にどのような行動を取るのかを分析することもできます。
セルフサービススコアの計算
セルフサービスチャネルとしてのヘルプセンターの効果をより直接的に数値化し、チケット作成の抑制に与える影響を直接的に把握するために、セルフサービスのスコアから判断できます。このメトリックは「セルフサービス率」とも呼ばれ、次の計算式を使用して手動で計算できます。
セルフサービススコア = ヘルプセンターのユーザーセッションの総数 / チケットのユーザーの総数
- 「ヘルプセンターでGoogleアナリティクスを有効にする方法」の説明に従って、Googleアナリティクスアカウントを設定してGuideに接続します。
- Googleアナリティクスで数か月にわたるユーザーアクティビティのデータがある場合は、ヘルプセンターの訪問者セッション数の30日分のスナップショットなどを作成します。
- その数値を同じ期間中にチケットを送信したユーザーの合計数で除算します。詳しくは「Exploreレシピ:毎月チケットを提出するユーザーの数を確認する」を参照してください。
この計算を行う際に、セルフサービスの試みとしてヘルプセンターの積極的な利用と考えられるものを定義することもできます。「セルフサービスの成功を測る6つのステップ」で、RJMetricsのErin Cochran氏は次のように述べています。「コンテンツインタラクションの我々の定義によれば、訪問者とは単にヘルプセンターのランディングページにアクセスしたり、新しいチケットフォームにすぐに移動したりするだけではないということです」。これにより、チケットを送信する前にセルフサービスを試そうとしていた訪問者の数をより正確に知ることができました。Erin氏はセルフサービスを評価するための他の有用なヒントを自分のブログで公開しています。
ナレッジベースのコンテンツと解決済みチケットに関するナレッジベースのアクティビティの分析
コンテキストパネルのナレッジベースを使用すると、エージェントはナレッジベースのコンテンツを共有したり、カスタマーをナレッジベースのコンテンツに誘導したりすることが簡単にでき、カスタマーがサポート上の問題を自分で解決できるようになります。
カスタマーへの返信にナレッジベースのコンテンツへのリンクを追加するためにエージェントは手作業で対応する必要がありますが、そのリンクされたコンテンツによってユーザーが自分でチケットを解決できたかどうかを追跡できます。この場合、チケットの作成は抑えられませんが、セルフサービスチャネルを使用したことで問題が解決される可能性があります。
詳細については「ナレッジベースまたはナレッジキャプチャーアプリのアクティビティの分析」を参照してください。
記事付きのオートリプライによるチケットの自動解決の分析
記事付きのオートリプライ機能では、機械学習を使用して、サポートリクエストのテキストをスキャンし、チケットに自動的に応答して、問題の解決に役立つナレッジベースの関連記事のリストを提示します。カスタマーがエージェントと対話する必要はありません。
コンテキストパネルのナレッジベースと同様に、Exploreでも記事付きのオートリプライのアクティビティ分析を参照できます。最も重要なのは、ナレッジベースの記事を使ってどれだけのチケットが解決されたかを確認できることです。
これには、全体的なパフォーマンス(リンクがチケットを解決した回数)と個々の記事のパフォーマンス(カスタマーが問題を解決するのを助けるのに最も適切な記事と最も不適切な記事かを示す数値)が含まれます。
詳細については、「記事付きのオートリプライの分析」を参照してください。
セルフサービスチャネルのレポートオプションのまとめ
レポーティングツール | レポートの場所 |
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Knowledge Baseダッシュボード | |
Searchダッシュボード | ExploreのSearchダッシュボード |
Googleアナリティクス | Google Analyticsダッシュボード |
Knowledge Captureダッシュボード | ExploreのKnowledge Captureダッシュボード |
Article Recommendationsダッシュボード | ExploreのArticle Recommendationsダッシュボード |
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