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アドオン AIエージェント - Advanced
本記事は、表現ベースのAIエージェントにおける言語サポートにのみ適用されます。より広範な言語サポートの詳細については、「AIエージェント - Advancedでサポートされる言語」をご覧ください。

言語検出とは、AIエージェントがユーザーの話す言語を自動的に特定し、同じ言語で応答するための処理です。これは、AIエージェントによるカスタマーエクスペリエンスを大きく向上させる重要な要素です。言語検出は、多言語対応AIエージェントにおける″隠し味″ともいえる機能で、109言語を識別できます。

この記事では、次のトピックについて説明します。 

  • ご注意が必要な点
  • 優先言語の検出
    • ロケール情報を取得するアクション
    • ロケール情報を設定
  • 言語検出に関する注意事項
  • 言語の値をリセットする
  • 言語検出を活用したチャット開始のメッセージ
  • Zendesk Chatで最初のあいさつの返信を設定する

ご注意が必要な点

多言語対応のAIエージェントでは、会話ごとに言語を識別し、それぞれの言語で応答する必要があります。

使用言語は、active_language パラメータとして「会話データ(セッション)」に保存されます。このパラメータは、会話中にアクションを使用していつでも変更可能です。active_languageパラメータが空の場合、言語検出が実行されます。これは、最初のメッセージ時や、言語が保存されていないか、リセットされた場合に発生します。 

AIエージェントは、どのようにして言語を識別するのでしょうか?

  • CRMから取得する
  • 最後の顧客メッセージに基づいて言語検出を行う

これは、ユーザーの言語をどのように特定するかという選択の問題です。CRMシステムから取得するか、ユーザーが最初に送信したメッセージの内容を分析して自動的に言語を割り当てるか、どちらを使用するかを決める必要があります。

さらに第3の選択肢として、最初のメッセージでボタンを表示し、ユーザーに使用言語を選択してもらう方法もあります。ただし、ここではまず上記2つの方法に注目して進めていきましょう。

優先言語の検出

適切な言語で適切な返信が行われるようにするには、以下の2つの設定が必要です。

  1. ユーザーのロケールを取得するアクション
  2. ロケール情報の設定

ユーザーのロケールを取得するアクション

これは、CRMからロケール情報を取得するための設定であり、使用しているCRMプラットフォームによって手順が異なります。 

アクションを作成する際は、「名前を付けて保存」フィールドに active_language を指定してください。

  • Zendesk Chat:タグを取得

  • Zendeskワークスペース - この機能は標準ではサポートされておらず、ウィジェットにハードコーディングする必要があります。 
  • Sunshine:ユーザーを取得

  • Salesforce:会話ログを取得

  • Freshchat:サポートされていません

Zendesk Chatクライアントの場合は、「カスタマー情報の取得」>「current_country」を使用することも可能ですが、所在地が話し言葉を反映していない可能性があるため、推奨される方法ではありません。そのため、Zendesk Chatにはアクションを追加し、URLやカスタマーが指定した設定に基づいてタグを付与したうえで、現在の国ではなく、そのタグを取得するアクションを設定することをお勧めします。

Bot_action_-_language.png

ロケール情報の設定

各言語に正しいロケール情報が入力されていることを確認してください。ロケール情報は、言語を追加する際、または後から「AIエージェントの設定」>「言語」で追加できます。CRMと同じ情報を入力します(返信バリエーションの場合と同様)。例:DEまたはドイツ

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言語検出に関する注意事項

CRMからのデータを使用せず、最初のメッセージに基づいて言語を識別したい場合は、言語検出を使用して会話にロケール情報を割り当てます。AIプラットフォームとして、当社は自然言語処理(NLP)を活用し、記述された言語を識別しています。言語検出には、顧客が使用している言語に自動で対応できるという利点もあり、「どの言語で話したいか」を尋ねる必要がないため、問い合わせの対応を迅速に開始できます。

以下に、探すべきものをいくつか示します。

言語検出は、正確に言語を識別するためには5語以上のメッセージで最も効果を発揮します。そのため、チャットの履歴を分析して、顧客が最初に送信するメッセージが短すぎないか、または複数の言語が混在していないかを確認するとよいでしょう。

例:Ciao! My Lieferung ist late.この例では、3つの言語が使われています。"Ciao" はイタリア語、"My Lieferung ist late" はドイツ語と英語が混在しています。

言語の混在が一般的な地域もあり、そのような場合、たとえばヒンディー語と英語の単語が混ざっていると、言語検出が混乱することがあります。 

また、スペイン語とカタルーニャ語、セルビア語とクロアチア語のように、非常に近い関係にある言語では重複が多く、一部の文章については高い信頼度で言語を特定するのが難しくなる場合があります。

このようなケースでは、AIエージェントが誤って別の言語を設定してしまったり、「理解できません」などの応答を送ってしまう可能性があるため、言語検出機能の利用は推奨されません。

言語検出の結果は、アクティブな言語を高い信頼度で識別するか、AIエージェントの対応言語ではない言語を高い信頼度で識別するか、あるいは信頼度の低い予測を出す、のいずれかになります。2番目のケースでは、会話のアクティブな言語がまだ確定していない場合、AIエージェントは「サポートされていない言語です」といったシステム返信を返します。言語検出が不確かな場合は、AIエージェントは既定の言語にフォールバックします。

言語の値をリセットする ‐ ベストプラクティス

問い合わせをしてくるユーザーの中には、自分が最も使い慣れている言語とは異なる言語環境で仕事をしたり旅行をしていたりする人も多いため、ユーザーが希望する言語でやりとりできるように設定することをお勧めします。

顧客の言語をリセットするには、顧客自身に言語のリセットを依頼するか、「Do you speak...」という目的(言語非対応目的)を作成して利用する方法があります。この「Do you speak...」を使用すると、AIエージェントの言語をハードリセットし、新たにアクティブな言語として適用できます。以下の手順で設定できます。

  1. 「言語を変更」という目的を設定します。

  2. その目的の対話ビルダーで、以下の操作を行います。

    1. 「アクティブに設定」チェックボックスを選択し、対応可能な言語の選択肢を提示する

    2. AIエージェントがサポートしている言語に対応するボタンを追加する

    3. 会話データに基づいて言語を設定するアクションを追加する

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別のオプションとして、言語のコンテンツエンティティリストを作成し、これを使用してユーザーが話したい言語を確認する方法があります。

  1. 「言語を変更」という目的を設定します。

  2. その目的の対話ビルダーで、メッセージにオプションが含まれているかどうかを確認するための条件ブロックを追加します。 
    メモ:ユーザーが「I don't speak English」と述べた場合、言語が英語に設定される可能性があります。

  3. 会話データに基づいて言語を設定するアクションを追加します。

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言語検出を活用したチャット開始のメッセージ 

上記の点を踏まえ、最適なカスタマーエクスペリエンスを提供するために、ユーザーに希望する言語を選択してもらう「最初のあいさつの返信」を設定します。最初のあいさつの返信を設定する際、チャット開始時のイベントに応じて、AIエージェントのアクションとしてCRMから言語設定を取得するように設定できます。これにより、CRMからお客様の言語設定情報を取得できます。 

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この情報に基づいて、条件ブロックを使用してユーザーを適切な返信に誘導できます。ただし、ユーザーに言語の希望を確認することも可能です。対象のフィールドが空である場合や、対応している言語以外が指定されている場合は、ユーザーに希望の言語を選択してもらうよう促すことができます。

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Zendesk Chatで最初のあいさつの返信を設定する

表現ベースのAIエージェントでZendesk Chatを使用して、正しい言語で「最初のあいさつの返信」を設定するには、次の2つの要素を追加で作成する必要があります。それは、「最初のあいさつの返信」をトリガするトリガ返信アクションと、その返信の前に言語検出が正しく機能するようにする条件ブロックです。

詳しくは「高度なAIエージェントの最初のあいさつの返信の設定または削除」を参照してください。

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