自動化したタスクであるアクションは、エージェントCopilotのツールの1つであるオートアシストによって実行されるように設定できます。オートアシストは、管理者が定義したプロシージャとアクションを使用して、エージェントがカスタマーのリクエストに対応する際に次のステップを提案します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
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オートアシストのアクションについて
オートアシストは、カスタマーのリクエストの解決に役立つ関連するアクションをエージェントに提案します。オートアシストが提案したアクションをエージェントが承認することで、システムが自動的にアクションを実行し、エージェントの時間を節約できます。
アクションには、ユーザーによる設定が不要なビルトインのアクションと、APIに基づいてカスタム設定する外部アクションの2つのタイプがあります。これらのアクションのタイプは異なりますが、エージェントのエクスペリエンスは同じです。しかし、管理者にとっては、ビルトインのアクションは管理センターの「アクション」ページに表示されず、修正を加えることもできません。
オートアシストには現在、以下のビルトインのアクションが用意されています。
- チケットをスパムとして登録する。
- Shopifyとのインテグレーションを利用して、Shopifyの注文を検索する、Shopifyのすべての注文をキャンセルして払い戻す、または注文の一部を選択して払い戻す。詳しくは「ワークフローレシピ:オートアシストを使用したShopifyの注文キャンセルと払い戻し」を参照してください。
一方、カスタムの外部アクションでは、APIを定義してZendeskの外部のデータに変更を加えることができます。このタイプのアクションを使用することで、社内のビジネスシステムを照会および修正したり、サードパーティのアクションを実行したりすることができます。アクションを多く設定するほど、オートアシストがエージェントへの提案を生成する際に利用できるオプションが増えます。
カスタムの外部アクションの作成に使用できるAPIに制限はないため、Zendesk APIを参照する外部アクションを作成することも可能です。ただし、これを行う場合、注意すべき点がいくつかあります。
- これらのAPIリクエストは、Zendesk全体のAPI制限にカウントされます。詳しくは「ZendeskアカウントでのAPIの使用状況の管理」を参照してください。
- アクションのセットアップの一環として、Zendesk APIトークンまたはOAuthトークンを使用してリクエストを承認するためのコネクションを作成します。このコネクションは、エージェントやエンドユーザーよりもアクセス権限が大きい可能性があるため、彼らに見せてはならない情報を誤って公開しないように注意する必要があります。
- 今後は、同等のアクションが利用可能になった場合、Zendesk APIのアクションをZendeskの標準アクションに移行する必要があります。
- これらのAPIリクエストによる変更が、トリガ、自動化、アプリなど、Zendeskの他の設定部分とどのように関わってくることになるか注意してください。
アクションの制限
アクションには以下の制限が適用されます。
- 作成できるアクションは1アカウントにつき最大100個まで。
- 各アクションの入力と出力は、それぞれ最大100回まで。
- 外部アクションのタイムアウトは10秒。外部システムからの応答が10秒以上かかったり、その応答をZendeskアカウントで受信できなかったりした場合、そのアクションは実行されない。
- 外部アクションの最大応答サイズは2MB。
外部アクションを作成する
管理者は管理センターで新しい外部アクションを作成できます。外部アクションには、入力、APIコール、出力が必要です。
- 入力:アクションを実行するために使用する情報です。定義した各入力によって作成される入力プレースホルダは、アクションのURL、ボディ、クエリパラメータ、ヘッダーに挿入できます。これらのプレースホルダは、オートアシストがアクションを実行する際に提供されるデータに置き換えられます。
- APIコール:情報をAPIに送信する際にどのように正確に構造化するかを示すものです。
- 出力:APIから返されたデータをZendeskがどのように解釈するかを決定します。定義した出力は、アクションが実行されたときにAPIレスポンスのどの部分をオートアシストに送り返すかをアクションに伝えます。
外部アクションを作成するには
- 管理センターで、サイドバーにある「 アプリおよびインテグレーション」をクリックし、「アクションおよびWebhook」>「アクション」を選択します。
- 「アクションを作成」をクリックします。
- 「名前」フィールドに、アクションのわかりやすい名前を入力します。
この名前はエージェントやイベントログに表示されます。
- 「説明」フィールドに、アクションの説明を入力します。
この説明は、システムがそのアクションをオートアシストとともに使用するタイミングを判断するために利用されます。説明の適切な書き方について詳しくは、「アクションの作成でのベストプラクティスを」参照してください。
- 「入力」セクションで、「入力を追加」をクリックします。
- 「入力を追加」ウィンドウで、以下のフィールドに入力します。
- 名前:わかりやすい名前を指定します。
- 説明:入力の説明を指定します。
-
タイプ:「文字列」、「 整数」、「10進数」、または「ブール値」のいずれかのオプションを選択します。メモ:入力するデータタイプは厳密に適用されます。たとえば、「3.0」は整数として受け入れられず、文字列「"true"」はブール値として受け入れられず、ブール値「false」は文字列として受け入れられません。
- 「入力を追加」をクリックします。
- 「入力を追加」ウィンドウで、以下のフィールドに入力します。
- 「API設定」パネルで、以下のフィールドに入力します。
- リクエスト方法:実行するアクションに応じて、GET、POST、PATCH、PUT、DELETEのいずれかを選択します。
-
エンドポイントURL:外部サービスのURLを入力します。メモ:入力できるURLは、https:// URLSのみです。
- 認証:既存のAPIコネクションを選択します。
-
ボディ:このAPIコールでリクエストする情報を入力します。
作成した入力のいずれかにプレースホルダを挿入するには、{+}をクリックし、該当する入力を選択します。
- クエリパラメータ:「パラメータを追加」をクリックし、このAPIコールに適用するパラメータにキーと値を追加します。
-
ヘッダー:「ヘッダーを追加」をクリックし、このAPIコールに適用するパラメータに名前と値を追加します。メモ:content-typeヘッダーの追加は必要ありません。application/json値のみがサポートされ、このヘッダーはAPIコールの実行時に自動的に追加されます。
- 「出力」セクションで、「出力を追加」をクリックします。
- 「出力を追加」ウィンドウで、設定した各入力のテストデータを入力します。
- 「APIコールを実行」をクリックします。
このデータは外部サービスに送信され、代表的なレスポンスが返されます。
メモ:外部アクションが実行される場合、レスポンスはJSONでなければならず、適切なJSONヘッダー(content-type: application/json)が必要です。他のJSON互換コンテンツタイプ(vnd.oracle.resource+jsonやvnd.api+jsonなど)は、現在サポートされていません。 - 「出力」タブで、レスポンスから適切な出力を見つけ、「追加」をクリックします。
「レスポンスボディ」タブをクリックすると、実際のレスポンスがどのようにフォーマットされているかを見ることができます。
-
出力の「名前」と「説明」を入力し、「出力を追加」をクリックします。
-
オートアシストに返したいすべての出力を取得するため、必要に応じて手順を繰り返します。
-
「完了」をクリックします。
メモ:アクションが実行されたときに、対応する出力がレスポンスに含まれていない場合、アクションは成功しますが、出力のキーはオートアシストに返されるレスポンスからは省かれます。
- 「保存」をクリックします。
アクションをテストする
アクションを作成したら、テストを実施して期待どおりに動作することを確認します。必要であれば、さまざまな出力をテストするために、異なる入力値で複数回テストを実行します。
アクションをテストするには
- 管理センターで、サイドバーにある「 アプリおよびインテグレーション」をクリックし、「アクションおよびWebhook」>「アクション」を選択します。
- 編集するアクションで、オプションメニュー()をクリックして、「テスト」を選択します。
- 「テスト」タブの「入力」セクションに、設定した各入力のテストデータを入力します。
- 「APIコールを実行」をクリックします。
このデータは外部サービスに送信され、代表的なレスポンスが返されます。
- 「出力セクションで、レスポンスに期待するデータが含まれていることを確認します。
テスト中に問題が発生した場合は、以下のトラブルシューティングを行ってみてください。
- 外部アクションを使ってサードパーティ製品とデータをやりとりしている場合は、その製品のドキュメントが詳細なトラブルシューティングに最適な情報源となります。
- テスト中に遭遇する可能性のあるHTTPエラーコードの概要については、HTTPレスポンスステータスコードを参照してください。
- すべての入力と出力が、用途に適したデータのタイプ(整数、10進数、文字列、またはブール値)であることを確認してください。
- 実行されたアクションの詳細については、インテグレーションのログで確認することができます。
アクションを編集する
管理者は管理センターで既存のアクションを編集できます。
アクションを編集するには
- 管理センターで、サイドバーにある「 アプリおよびインテグレーション」をクリックし、「アクションおよびWebhook」>「アクション」を選択します。
- 編集するアクションで、オプションメニュー()をクリックして、「編集」を選択します。
- 必要に応じて、アクションを編集します。
詳しくは「外部アクションを作成する」を参照してください。
ヒント:既存のアクションに変更を加える場合は、名前と説明が変えられていないことを確認してください。 - 「保存」をクリックします。
アクションを削除する
管理者は管理センターで既存のアクションを削除できます。アクションの削除は永続的なものであり、その内容を復元することはできません。
アクションを削除すると、そのアクションはオートアシストのプロシージャでは使用できなくなります。影響を受けたプロシージャがあれば必ず調整してください。
アクションを削除するには
- 管理センターで、サイドバーにある「 アプリおよびインテグレーション」をクリックし、「アクションおよびWebhook」>「アクション」を選択します。
- 削除するアクションで、オプションメニュー()をクリックし、「削除」を選択します。
- 表示されるウィンドウで「アクションを削除」をクリックします。
アクションの作成でのベストプラクティス
アクションを作成する際は、以下のベストプラクティスに従ってください。
- 認証にコネクションを使用すること。アクションの設定に認証情報を含めてはなりません。コネクションは機密情報を安全に保護するように設計されているので、コネクションを使用してください。
- アクセス権限に細心の注意を払うこと。コネクションは、エージェントやエンドユーザーよりもアクセス権限が大きい可能性があることに留意してください。アクション、プロシージャ、エージェントのトレーニングを設定することで、機密データを誤ったユーザーに共有してしまうことを防ぎます。
- データは可能な限り非公開にすること。アクションのレスポンスの一部を出力として取得するときは、必要な特定のデータポイントだけを取得するように注意してください。目の前のタスクに直接関係のないデータを取得することは、適切なプライバシー保護対策とはいえず、さらにオートアシストを混乱させる可能性があります。
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アクション、入力、出力の名前と説明の記述は平易なものにすること。名前と説明は、アクション(その入力と出力を含む)がカスタマーのリクエストに関連するとき、オートアシストが判断するのに役立ちます。また、既存のアクションに変更を加える場合は、名前と説明が変えられていないことを確認してください。
名前と説明は、アクションの意味と結果を明確に説明していなければなりません。例:
- アクションの名前:本をカートに追加する
- アクションの説明:カスタマーのショッピングカートに本を追加します。
オートアシスト手順でアクションを参照する際は、特定のアクションを呼び出すために類似した表現を使うようにしてください。
- 例:「購入したい本をカスタマーが確認したら、その本をカートに追加する。」
また、既存のアクションに変更を加える場合は、名前と説明が変えられていないことを確認してください。