Zendesk Supportでは、サポートリクエストを生成するメンバーやそれらのリクエストを解決するメンバーを管理したり、チケット自体を管理したりする際に欠かせない、さまざまなユーザーロールを定義しています。
この記事では、「ユーザー」と「メンバー」を基本的に同じ意味で使用しています。どちらも広義ではZendeskを使用するすべての人々を指します。ユーザーを管理するための主なコンポーネントとして、カスタマー、チームメンバー、ロール、組織、グループ、タグの6つがあります。これらのコンポーネントは、それぞれ専用のページで管理します。ドキュメントで一般的な使用者の意味でユーザーを指す場合、通常は個々のユーザーロールについては言及されず、「ユーザー」と表記されます。
各ユーザーのロールは、ユーザーの登録時に決定しますが、必要に応じて後で変更することができます。ユーザーがサインインすると、そのユーザーが閲覧と操作を許可されているZendesk Supportの領域のみが表示されます。
この記事では、次のトピックについて説明します。
エンドユーザー(カスタマー)
エンドユーザーは「カスタマー」と呼ばれることもあります。エンドユーザーとは、利用できる任意のサポートチャネルからサポートリクエストを生成するユーザーのことです。エンドユーザーには、管理者やエージェントが使用するZendesk Supportの機能へアクセスする権限はありません。エンドユーザーが行える操作は、チケットの送信と追跡、エージェントとの公開されたやりとりのみです。つまり、エンドユーザーのチケットコメントはプライベートにできません。
エンドユーザーとZendesk Supportとのやりとりの方法は、利用を許可したサポートチャネルの種類と、定義したパブリックアクセスの方法によって異なります。サポートの提供は、公開または非公開のどちらの形でも行えます。Zendeskの公開サポートでは、誰でもチケットを送信できます。非公開サポートはその逆です。たとえば、企業内の社内サポート業務には非公開のサポートを使用します。
非公開のZendeskでは、管理者がエンドユーザーを追加します。公開のZendeskでは、管理者がエンドユーザーを追加できるだけでなく、エンドユーザーもチケットを送信することによって自分自身を追加できます。エンドユーザーが自分自身を追加できる場合、管理者はエンドユーザーに登録を要求することができますが、要求しなくてもかまいません。非公開のZendeskでは、すべてのエンドユーザーがZendeskに登録する必要があります。
また、エンドユーザーのヘルプセンターへのアクセス権とアクセス方法を管理することができます。ヘルプセンターは、エンドユーザーに表示される領域です。リクエスト送信ページと、ナレッジベース、コミュニティ(利用できる場合)、チケットのビューなどが提供されます。エンドユーザーによるZendesk Supportへのアクセス方法について詳しくは、「エンドユーザーのアクセスとサインインのオプションの概要」を参照してください。
ただし、登録されていないエンドユーザーは、チケットのビューへはアクセスできません(アクセスにはサインインが必要です)。登録されていないエンドユーザーについては、サポートチームとのコミュニケーションはすべてメールで行われます。詳細については、「メール専用サポートの設定」を参照してください。
エンドユーザーを組織に含めることもできます。組織とは、ユーザーのまとまり(エンドユーザーとチームメンバーのどちらも含む)であり、チケットワークフロー全体を通して、さまざまな方法で使用されます。詳細については、「組織およびグループについて」を参照してください。
エージェント、管理者、アカウントオーナー(チームメンバー)
サポートリクエストを解決するメンバーは、チケットワークフローの設定と管理においては別の役割を担当します。エージェント、管理者、およびアカウントオーナーはすべて、チームメンバーです。
エージェント
- 複数のグループに割り当てられる可能性がある(最低でも1つのグループに割り当てられる)
- エンドユーザーのプロフィールの追加、編集、削除を行う。エージェントは、他のエージェントおよび管理者のプロフィールを作成または編集することはできません。また、エンドユーザーのプロフィール内の一部のプロパティの編集権限を持っていない可能性があります。メモ:エージェントは、すべてのチケットへのアクセス権を持っている場合にのみ、エンドユーザーを編集することができます(「エージェントの権限とチケットのアクセスについて」を参照してください)。カスタムロールのエージェントは、そのカスタムロールの設定に応じてエンドユーザーを編集することができます。
- パブリックコメントまたはプライベートコメント、あるいはその両方をチケットに追加する
- 独自のマクロを作成および編集する
- 独自のビューを作成および編集する
- レポートを閲覧できる。Zendeskアカウント内のすべてのチケットにアクセスできるエージェントだけが、レポートを表示することができます。
- ヘルプセンター内で記事の審査および管理を行う
- 以下のいずれかのタイプのチケットにアクセスする
- Zendeskアカウント内のすべてのチケットメモ:Team、Growth、Professionalの各プランでは、エージェントが他のグループにチケットを割り当てるには、すべてのチケットへのアクセス権が必要です。
- 自分が属するグループ(複数可)に割り当てられたチケットのみ。エージェントの権限を制限すると、ユーザープロフィールへのメモの追加など、ユーザーに対する一部の編集作業ができなくなります。
- 自分が属する組織から受け取ったチケットのみ
- 自分に割り当てられたチケットのみ
- Zendeskアカウント内のすべてのチケット
管理者は、新しいエージェントを手作業で一度に1人ずつ登録するか、一括インポート操作でまとめて登録することができます(ユーザーロールは、一括インポートに使用するCSVデータファイルで設定できます)。管理者は、エージェントを管理者ロールにアップグレードさせることができます。
エージェントがアクセス可能なチケットを、そのエージェントが属する組織とグループ内のチケットのみに制限できます。すべてのエージェントは、最低でも1つのグループに所属する必要があります。エージェントとエンドユーザーはどちらも組織に所属させることができます。チケットへのアクセスが制限されている(すべてのチケット以外のアクセス権が設定されている)エージェントは、エンドユーザーを作成および編集することはできません。
チケットへのアクセスが制限されているエージェントであっても、チケットのCCに入れられた場合は、そのチケットへのパブリックおよびプライベートの更新を知らせるメール通知を受け取ることができます。たとえば、L2グループのチケットのみ閲覧を許可されているエージェントがいるとします。そのエージェントをL3グループのチケットのCCに含めると、L3チケットの閲覧権限を持たないにもかかわらず、そのチケットに対するパブリックおよびプライベートの更新を知らせるメール通知がそのエージェントに届くようになります。
追加のエージェントロールについて
- ライトエージェントと閲覧担当:これらのロールは、サポートのエージェントライセンスを占有しませんが、これらのロールをユーザーに付与することで、ライセンス使用数が増加するシナリオもあります。
- デフォルトのカスタムロールEnterpriseプラン以上では、これに加えて、プリセットのエージェントロールが利用可能です。また、独自のエージェントロールを定義して、そのロールに閲覧を許可する領域や行える操作を指定することができます。「カスタムロールの作成とエージェントの割り当て」を参照してください。
管理者
- すべてのチケットへのアクセス(自分に割り当てられているチケットだけでなく、すべてのチケット)
- ビジネスルール(自動化、マクロ、SLAサービス目標、トリガ、ビュー)へのアクセス、作成、および編集
- ターゲットへのアクセスおよび編集
- アプリケーションのインストールおよび設定
- レポートの作成
- すべてのレポートの編集
- 設定(アカウント、セキュリティ、チャネル、チケットフィールドなど)へのアクセスと管理
- エンドユーザー、エージェント、管理者の追加、管理および削除
- 管理者ロールへのエージェントのアップグレード
- グループおよび組織の作成
- エンドユーザーとしての代理ログイン
- カスタムエージェントロールの作成(Enterpriseプランのみ)
- Talk設定へのアクセスと管理
Enterpriseプランの管理者は、カスタムロールを使用することで、これらの権限の一部をエージェントに割り当てることができます。詳細と割り当て可能な権限のリストについては、「カスタムロールの作成とエージェントの割り当て」を参照してください。
管理者は、チケットワークフローの設計と実装を行います。具体的には、カスタマーやエージェント、自分以外の管理者の追加や、ビジネスルール(自動化、トリガ、ビューなど)の定義、Zendesk Supportのカスタマイズと拡張を行います。エージェントの主な役割は、カスタマーとやりとりし、サポートリクエストを解決することですが、管理者はそれらの役割に加えて、ワークフローの設定と管理を担当します。
管理者はエージェントが実行できるアクションすべてを実行できます。
アカウントオーナー
- サブスクリプションの変更
- 請求と支払い管理
- アカウントの変更
アカウントオーナーのプロフィールを変更できるのはアカウントオーナー本人のみです。それ以外の管理者は変更できません。アカウントオーナーに関連付けられている固有のアクセス許可の一覧については、「アカウントオーナーの権限の概要」を参照してください。
ビジネスルールのユーザーインターフェイス
ビジネスルールでは、条件とアクションを定義するために、いくつかのユーザータイプを概念的に説明する必要があります。このため、リクエスタ、送信者、担当者、現在のユーザー、無制限エージェント、といった用語が使用されています。
リクエスタ
リクエスタとは、チケットを通じてサポートを依頼した人を指します。デフォルトではチケットのリクエスタは送信者ですが、これを変更することができます。リクエスタは、マクロ、ビュー、自動化、トリガ、およびレポートで、サポートをリクエストしたサポート対象者を指すために使用されます。
送信者
チケットの送信者は、リクエストを送信したユーザー、またはリクエスタの代理でチケットを作成したエージェントのいずれかです。デフォルトでは、チケットの送信者はチケットのリクエスタです。チケットのリクエスタは変更できますが、送信者は変更できません。
担当者
担当者とは、チケットに割り当てられたエージェントのことです。マクロ、ビュー、自動化、トリガ、レポートの説明で使用される「担当者」という用語は、チケットに割り当てられたエージェントを指します。
現在のユーザー
トリガでは、(現在のユーザー)は最後にチケットを更新したメンバーです。別のユーザーがチケットを更新するたびに、(現在のユーザー)が変更されます。更新は、チケットにアクセスできるエージェントまたはエンドユーザーなら誰でも行うことができます。
ビューでは、(現在のユーザー)は、現在そのビューを表示しているエージェントです。これにより、各エージェントが個々にビューを作成しなくても、共通の1つのビューで自分に関連するチケットを表示できます(「ビューの作成とチケットワークフローの監視」を参照)。
無制限エージェント
無制限エージェントとは、すべてのチケットにアクセスできるエージェントのことです。つまり、これらのエージェントがアクセスできるチケットは、自分が属しているグループや組織のチケット、あるいは自分に割り当てられているチケットだけに制限されません。トリガを作成する際には、その作業をこれらのエージェントに差し向けることができるので便利です。