管理者は、ユーザーを1人ずつ追加するのではなく、多くのユーザーを一括でインポートできます。一括インポートを行うには、ユーザーのデータを含むCSV(カンマ区切り値)ファイルを作成します。一括インポートでは、メールアドレスや電話番号などの基本的なユーザーデータの設定に加えて、ユーザーロールの設定、エージェントの特権の指定、組織へのユーザーの追加などを行うことができます。一括インポートを使用すると、新しいユーザーを追加したり、既存のユーザーを更新したりすることができます。CSVファイルで一括インポートできるデータは、Supportユーザーとロールのみです。
ユーザーと組織の一括インポートを行うには、管理者である必要があります。
ユーザーおよび組織の一括インポートに伴う制限
ユーザーと組織に関する主要なデータセットをインポートできます。たとえば、一括インポートを使用して、後述の表に示すデータをインポートできます。ただし、タイムゾーン、写真、言語設定などはインポートできません。後述の表にないデータをインポートするには、代わりにZendesk REST APIを使用する必要があります。「Importing users with the Zendesk API(Zendesk APIを使用したユーザーのインポート)」または「Importing organizations with the Zendesk API(Zendesk APIを使用した組織のインポート)」を参照してください
- 最大行数はインポート方法によって異なります。
- 「一括インポート」ページを使用して新規および既存のユーザーおよび組織データをインポートする場合、インポートCSVデータファイルには最大2,000行を含めることができます。つまり、ヘッダー1行とデータ1,999行までです。
- データインポーター(ベータ版)を使用して新規および既存の組織データをインポートする場合、インポートCSVファイルのサイズは1GBを超えることはできません。最大500,000行を推奨します。つまり、1行のヘッダーと最大499,999行のデータです。さらに、各行のサイズは128 KBを超えることはできません。
- データインポーターを使用する場合は、次の制限も適用されます。
- インポートCSVファイルに含める列は、最大で200列です。
- インポートCSVファイルでは、行のインポート順序は保証されません。
- 一度にインポートできるCSVファイルは1つだけです。そのため、CSVファイルでサポートされている最大行数を超えるデータがある場合は、バッチごとに別々のファイルを作成し、順次インポートする必要があります。データインポーターを使用していない場合は、最大2つのバッチがキューに入れられ、バックグラウンドで実行されます。2つ以上のバッチをインポートしたい場合は、最初のバッチのインポートが完了するまで待ってから追加する必要があります。
- FacebookまたはX(旧Twitter)アカウントからの連絡先情報のインポートに、一括インポートを使用することはできません。代わりに、Zendesk REST APIを使用してください。「Importing users with the Zendesk API(Zendesk APIを使用したユーザーのインポート)」を参照してください。
CSVファイルでユーザーデータを作成する
インポートに追加するユーザーのリストを作成する場合は、おそらく、従業員データベースなどの別のユーザー管理システムからユーザーリストを生成することになるでしょう。これらのシステムの多くは、データをCSVファイルにエクスポートする機能を備えています。このリストをいちから作成する必要がある場合は、Microsoft ExcelやOpenOffice.orgのCalcなどを使用します。
- このファイルは、適切なCSV形式であること、UTF-8エンコーディングを使用して保存されていることが必要です。
- CSVファイルの1行目はヘッダー行です。この行は、ファイルに必ず含める必要があります。
- ヘッダー行には、以下の表内の必須フィールドを必ず含めます。さらに、必須フィールド以外のフィールドも任意に選んで追加することができます。
- 含めたフィールドは、ヘッダー行に以下の表のリストと同じ順番で表示されます。
- データをインポートしないフィールドがある場合は、そのフィールドをヘッダー行に含めないでください。
- ファイル内に空のデータ列があると、ユーザーの既存のデータの大半が、空のデータで上書きされます。例外については、「既存のユーザープロフィールデータを更新する」を参照してください。
- notes欄または複数行のカスタムフィールドに改行を追加するには、Alt+Enterキーを押すか(Windowsの場合)、Ctrl+Option+Returnキーを押します(Macの場合)。
以下の表に、ファイルに含めることにできるフィールドを示します。名前、メールアドレス、および制限のフィールドは、新規ユーザーをインポートするときに必要です。既存のユーザーが一括インポートによって更新される場合は、一意の識別子が1つだけ必要です(メールアドレスまたは外部IDなど)。
フィールド | 説明 |
---|---|
name | 新規ユーザーのインポート時に必須。ユーザーのフルネーム。 |
新規ユーザーのインポート時に必須。ユーザーの完全なメールアドレス(someuser@mycompany.com)。1人のユーザーに複数のメールアドレスを設定することができます。「複数のメールアドレスと電話番号を1人のユーザーに指定する」を参照してください。 | |
external_id | ユーザーのメールアドレス以外にもIDがある場合(従業員IDやカスタマーリファレンス番号など)、この欄に入力できます。同じIDのデータは上書きされてしまうため、外部IDはユーザーごとに一意である必要があります。
「CSV出力ファイルに外部IDを含める」を有効にしないと、CSVインポート用の結果ファイルから外部IDが除外されます(「CSVファイルのユーザーデータをインポートする」を参照)。
メモ:external_idフィールドを唯一のIDとしてユーザーをインポートした場合(つまり、メールアドレスを含めていない場合)、メールアドレスのデータがなくても、CSVファイルにメールアドレスのフィールドを作成しておく必要があります。以下はその例です。
|
details | 住所など、このユーザーに関する詳細情報。この情報を見ることができるのはチームメンバーだけです。エンドユーザーの画面には表示されません。 |
notes | このユーザーに関するメモ。メモの内容を見ることができるのはチームメンバーだけです。エンドユーザーの画面には表示されません。 |
phone | ユーザーの電話番号。固有の電話番号が直通番号として追加されます。既存の電話番号は予備回線として追加されます。Talkを利用するには、電話番号は国際的に標準化されたE.164形式でフォーマットされている必要があります。 |
shared_phone_number | 共有している電話番号である場合は、「true」に設定します。共有している電話番号は、ユーザーIDとして使用できません。 |
role | 大文字と小文字を区別。「End-user」、「Agent」、または「Admin」。この欄を指定しないと、ユーザーはエンドユーザーとして設定されます。 |
restriction |
ユーザーのロールが「エージェント」に設定されている場合、新規ユーザーのインポート時に必須。ユーザーのロールが「End-user」に設定されている場合、「organization」および「requested」という制限値を割り当てることができます。restrictionフィールドには、チームメンバーまたはエンドユーザーの特権、アクセスできるチケットなどを設定できます。
次のいずれかの値を入力できます。
Zendesk SupportのEnterpriseプランでは、restrictionフィールドを使用しても、エージェントユーザーにあらかじめ定義したロールまたはカスタムロールを割り当てることができます。後述の「エージェントにEnterpriseエージェントロールを割り当てる」を参照してください。 |
organization | ユーザーを追加する組織の名前。事前に組織がヘルプデスクに追加されている必要があります。追加されていないと、インポートに失敗します。
ProfessionalとEnterpriseでは、ユーザーを複数の組織に追加できます。それには、組織名をパイプ(|)で区切って指定します(「ユーザーを複数の組織にインポートする」を参照)。 |
tags | Zendesk Supportでユーザーと組織のタグ付けが有効になっている場合(「ユーザーおよび組織へのタグの追加」を参照)、ユーザータグを追加できます。複数のタグを指定する場合、タグ間はカンマで区切ります。 |
brand | アカウントに複数のブランドがある場合は、ブランドのサブドメインを指定できます。ブランドのサブドメインによって、ユーザーに送信される最初に送信されるメールのブランドが決まります。ただし、そのブランドがアクティブで、有効なヘルプセンターを持っている必要があります。指定したブランドのサブドメインがアクティブでないか、ヘルプセンターが有効になっていないか存在しない場合、列は無視され、最初に送信されるメールはデフォルトのブランドで送信されます。
ブランドのサブドメインの名前だけを指定します。たとえば、「mydomain」を使用し、「mydomain.zendesk.com」は使用しません。 |
custom_fields.<field key> | ユーザーの一括インポートを実行する場合、「custom_fields.」という接頭辞に続いてフィールドキーを指定することで、カスタムユーザーフィールドをインポートできます。
たとえば、subscription_dateというフィールドキーのフィールド値をインポートするには、次のように指定します。 custom_fields.subscription_date なお、カスタムフィールドのキーは大文字と小文字が区別されるので、小文字で入力しなければなりません。 情報をチェックボックスにインポートする場合、チェックボックスをオンにするには「true」と入力し、オフにするには「false」と入力します。ドロップダウンリストオプションの値を設定するには、ドロップダウンリストの作成時に追加したタグを使用します。カスタム日付フィールドには、YY/MM/DDまたはYYYY-MM-DDの形式を使用してください。 カスタムユーザーフィールドのキーを見つけるには:
フィールドの値の形式が正しくないと、インポートは失敗します。そして、保存に失敗したレコードを示すエラーレポートが表示されます。
メモ:インポートするカスタムユーザーフィールドがルックアップリレーションシップフィールドの場合、このフィールドの値として、関連オブジェクトのIDを入力します。たとえば、組織の場合は組織のIDを、ユーザーの場合はユーザーのIDを、カスタムオブジェクトレコードの場合はレコードのIDを入力します。組織、ユーザー、またはカスタムオブジェクトレコードのIDを検索するには、アカウントからデータをエクスポートするか、Organizations API、Users API、またはCustom Object Records APIを使用します。
|
一括インポート時にユーザーに送信される登録確認メールに関する注意
Guideを有効にしている場合、一括インポートを使って新しいユーザーを追加すると、追加された各エンドユーザーに登録確認用のメールが届きます。この登録確認メールにはメールアドレス確認用のリンクが記載されており、このリンクをクリックすると、パスワードを設定してサインインするように求められます。
登録確認メール配信の設定を変更して、これらのユーザーに確認メールが送られないようにすることもできます。
登録確認メールがユーザーに送信されないようにするには
- 管理センターで、サイドバーのメンバーアイコン()をクリックし、「設定」>「エンドユーザー」を選択します。
-
ユーザー登録確認メールセクションで「エージェントまたは管理者によって新規ユーザーが登録された際にも確認メールを送信する」オプションの選択を解除します。
メモ:このオプションは、Guideを有効にするまで使用できません。
- 「タブを保存」をクリックします。
ユーザーを複数の組織にインポートする
ProfessionalまたはEnterpriseプランでは、一括インポート時にユーザーを複数の組織に追加できます。
Organization1|Organization2|Organization3
以下は、3つの異なる組織を追加するCSVサンプルの例です。
"name","email","external_id","details","notes","phone","role","restriction","organization","tags"
Enrico Venticello,"venticello@somecompany.com",,,,,,,Organization1|Organization2|Organization3,,
存在しない組織をリストに追加した場合、インポートに失敗します。
アルファベット順で先頭の組織がユーザーのデフォルトの組織となります。.csvインポートを使用して、これとは別のデフォルト組織を設定することはできません。ユーザーのデフォルトの組織は、手動で調整することも、Support API - Set Membership as Defaultエンドポイントを使用して調整することもできます。
エージェントにEnterpriseのカスタムロールを割り当てる
Enterpriseプランでは、エージェントにカスタムロールを割り当てることができます。カスタムロールは、多くの場合、エージェントに権限を追加したり、制限を加えるために使用されます。
独自のカスタムエージェントロールを作成した場合は、そのカスタムロールの名前をrestrictionフィールドに含めることで、一括インポート時にこれらのロールのいずれかをユーザーに割り当てることができます。次のCSVの例では、ユーザーにカスタムロールが割り当てられています。
"name","email","external_id","details","notes","phone","role",
"restriction","organization","tags"
Enrico Venticello,"venticello@somecompany.com",,,,,"agent","Help Desk Mastermind",,
上記の例では、ユーザー(Enrico Venticello)には一般的なロール「エージェント」が与えられ、カスタムエージェントのロール(「ヘルプデスクのマスターマインド」)に関連付けられた追加の権限が付与されます。
CSVでカスタムロールを使用するには、Zendesk Supportであらかじめカスタムロールを作成しておく必要があります。Supportに存在しないロール名を誤って使用した場合、デフォルトでユーザーのロールはライトエージェントにされます。その場合には、ユーザープロフィールでエージェントのロールを手動で変更できます。
また、インポート時に大文字と小文字が区別されないため、「Help Desk Mastermind」と「help Desk mastermind」は、同じエージェントロールとして設定されます。
複数のメールアドレスと電話番号を1人のユーザーに指定する
アップロードファイル内で、上の図に示すように、メールアドレス(複数)と電話番号、そして同時にインポートするすべてのチケットフィールド(例:role)に同じ外部IDを割り当てます。同じ外部IDに関連付けられたメールまたはコールは、そのIDに関連付けられたユーザーにルーティングされます。
なお、メールアドレスが既存のユーザーと一致し、外部IDまたは電話番号に不一致がない場合、そのユーザーはサブのメールアドレスまたは新しい電話番号で更新されます。ただし、外部ID、メールアドレス、または電話番号が複数の既存のユーザーと一致する場合、その行はインポートから除外されます。
CSVファイルのユーザーデータをインポートする
この操作により、新しいユーザーのデータをインポートするだけでなく、既存のユーザーの情報も更新することができます。
- 管理センターで、サイドバーにあるメンバーアイコン()をクリックし、「一括アクション」>「ユーザーのインポート」を選択します。
- インポートオプションを以下から選択します。
-
ユーザーを新規作成:デフォルトで選択されており、無効にすることはできません。これは、インポートデータに存在するが、Zendeskには存在しないユーザーが、常に新規作成されるためです。
-
既存のユーザーを更新:また、このインポートオプションを選択して、ユーザーの既存のデータを、CSVファイルにリストされているデータで置き換えることもできます。
ユーザーを識別できるように、ユーザーのexternal_idフィールドかemailフィールドをCSVに含める必要があります。ユーザーの識別子フィールド以外は、ファイルには更新するフィールドのみを含めるようにします。ユーザーの行に空白のフィールドがある場合は、そのユーザーの既存のデータが上書きされます。詳しくは「既存のユーザープロフィールデータを更新する」を参照してください。
メモ:「パスワードが変更された場合に、ユーザーにメール通知を送信しますか」オプションは現在利用できません。
-
- (オプション)「CSV出力ファイルに外部IDを含める」を選択します。
インポート処理が完了すると、別のCSVインポート結果ファイルへのリンクを含むメール通知が届きます。このリンクをクリックしてファイルをダウンロードし、インポートの結果を確認することができます。
このファイルには、インポートしたユーザーデータのステータス(作成、更新、スキップ)が表示されます。作成または更新された各ユーザーのメールアドレスまたは外部IDが含まれるかどうかは、インポートしたファイルの内容および「CSV出力ファイルに外部IDを含める」が有効にされているかどうかによります。
「CSV出力ファイルに外部IDを含める」が有効になっていない場合は、CSVのインポート結果ファイルに外部IDは含まれません。外部IDとは、従業員番号、カスタマーリファレンス番号、または他のシステムのユーザーIDなど、追加のIDです。1人のユーザーが持つことができる外部IDは1つだけです。このユーザー属性を含めるかどうかは任意です。
- 「ファイルを選択」または「代わりに自分でデータ内に貼り付ける」リンクをクリックします。
- 「インポート」をクリックします。
インポート操作がキューに追加され、ユーザーは、インポート処理が完了したときにZendesk Supportに追加されます。「ユーザーおよび組織の一括インポートに伴う制限」を参照してください。インポートが完了すると、その旨を通知するメールが届きます。
既存のユーザープロフィールデータを更新する
次のユーザーデータは置き換えられます。
- name
- external_id
メモ:外部IDはユーザーごとに一意である必要があります。
- role
- restriction
- organization
- Custom fields
次のユーザーデータは追加されます(既存のデータに追加されます)。
- details
- notes
- tags
- phone(セカンダリ電話番号として追加される)
- email(セカンダリメールアドレスとして追加される)