オムニチャネルルーティングを使用して、「新規」または「オープン」ステータスのメール(Webフォーム、サイドカンバセーション、およびAPIを含む)、コール、メッセージングから作成されたチケットをルーティングすることができます。ご利用のプラン、Zendeskアカウントの作成日、ルーティングの設定にもよりますが、オムニチャネルルーティングを使い始めるには、いくつかの設定と注意事項への留意が必要です。この記事では、オムニチャネルルーティングの有効化と使用方法について説明します。
オムニチャネルルーティングを使用する際の注意事項
オムニチャネルルーティングを使用するには、アカウントでエージェントワークスペースがアクティブになっている必要があります。Chatサブスクリプションを含むアカウントでは、ネイティブのメッセージング機能またはSunshine Conversationsもアクティブになっていること。詳しくは「オムニチャネルルーティングの要件と制限事項」を参照してください。
オムニチャネルルーティングは、特別な設定をしなくてもそのまま機能します。つまり、電話とメッセージングの会話のルーティングはオムニチャネルルーティングを有効にするだけで開始できます。また、メールチケットのルーティングは、オートルーティングタグを追加するか、カスタムキューを作成するとすぐに開始されます。ルーティング中断のリスクを最小限に抑えるため、前もってルーティング構成の計画を立てることをお勧めします。2024年12月5日より前に作成したZendeskアカウントの場合、オムニチャネルルーティングの有効化は営業時間外か、または営業時間最中の最も忙しくない時間帯に行うことをお勧めします。
オムニチャネルルーティングを有効にすると、Zendeskエージェントワークスペースでのオンラインチャネルのフォーカスモードをアクティブにするオプションは非表示になります。したがって、オムニチャネルルーティングの設定でフォーカスモードのオプションを設定する必要があります。
- エージェントの統合ステータス:オムニチャネルルーティングが実装されていないエージェントワークスペースに慣れているエージェントには、変更点を理解してもらう必要があります。具体的には、オムニチャネルルーティングを有効にした瞬間、すべてのエージェントはオフラインに設定されます。エージェントは新しいステータスを設定するよう促され、ステータスオプションに新しいオプションが追加されます。オムニチャネルルーティングを有効にしたエージェントに提供されるこのエージェントの統合ステータスは、メール、メッセージング、およびTalKの全チャネルに適用されます。アイドルタイムアウトを設定することで、時間に制約のある仕事が非アクティブのエージェントにルーティングされないようにすることができますが、エージェントには、コンピュータから離れるときは必ず「離席中」または「オフライン」に設定するように徹底させてください。チームリーダーは、エージェントがエージェントの統合ステータスを使用し始めた場合、リアルタイムで取得されるレポートの内容がどのように変わるか理解しておく必要があります。詳しくは「エージェントの統合ステータスについて」を参照してください。
- オムニチャネルキュー:すべてのチャネルのチケットは、受信と同時に作成されます。標準のオムニチャネルルーティング設定では、すべてのチケットは1つのキューに入ります。しかし、管理者であれば、オムニチャネルルーティング用に追加のカスタムキューを作成することが可能です。カスタムキューを使用する場合、オートルーティングタグは必要ありません。メール、メッセージング、およびコールのチケットは、すべて自動的にカスタムキューと照合されます。いずれのカスタムキューにも一致しないメールチケットは、標準キューにフォールバックされます。エージェントは、オムニチャネルルーティングのキューを理解し、チケットがどのように順序付けられエージェントに割り当てられるかを把握すると役に立つかもしれません。
- 仕事の自動割り当て:メールチケット(Webフォーム、サイドカンバセーション、APIなどから作成されるものも含む)は、キューの先頭に達すると、自動的に割り当てられます。標準的なオムニチャネルのルーティング構成の場合、キューの先頭に達したメッセージングチケットやTalkチケットは自動的にエージェントにオファーされますが、エージェントはその会話やコールを受け入れなければなりません。指定された時間内にエージェントが会話やコールに対応しなかった場合、そのチケットは自動的に、その次のエージェントにルーティングされ、順次、対応できるエージェントが現れるまでチケットはラウンドロビン方式でルーティングされ続けます。オムニチャネルルーティングでメッセージングの会話を自動的に割り当てる場合は、ルーティング設定でメッセージングの自動受付をオンにできます。
最後に、コール用のIVRメニューを設定している場合は、オムニチャネルルーティングを有効にする前に、IVRメニューからメイングループ以外のグループをすべて削除してください。そうしないと、ルーティングの動作が混乱する可能性があります。
オムニチャネルルーティングの有効化と設定の管理
- TeamおよびGrowthプラン:オムニチャネルルーティングにはグループベースのルーティングが使用されます。したがって、チケットがルーティングされるためには、グループが割り当てられている必要があります。さらに、メールチケットにはオートルーティングタグが含まれている必要があります。すべての新しいチケットにグループを割り当て、オートルーティングタグを追加するには、チケットトリガが最良の方法です。
- ProfessionalおよびEnterpriseプラン:これらのプランでは、カスタムキューか、またはオムニチャネルルーティングの標準キューを使用するグループベースルーティングのいずれかを選択できます。カスタムキューを使用することを選択した場合、ほとんどまたはすべてのチケットが対象となる条件を含むカスタムキューを作成する必要があります。グループベースルーティングを選択した場合は、チケットトリガを1つ以上作成してグループを割り当て、チケットにオートルーティングタグを追加する必要があります。
オムニチャネルルーティングを設定するには
- 管理センターで、サイドバーの「 オブジェクトとルール」をクリックし、「オムニチャネルルーティング」>「ルーティング設定」を選択します。
- 「ルーティング設定」ページで、「設定を管理」をクリックします。
- (2024年12月5日以前に作成されたアカウントの場合)「設定を管理」ページで「オムニチャネルルーティングを有効にする」をクリックします。
2024年12月5日以降に作成されたアカウントは、デフォルトでオムニチャネルルーティングが有効になっています。
- (Professionalプラン以上)キューベースルーティング(推奨)またはグループベースルーティングを選択します。
TeamプランとGrowthプランで利用できるのは、グループベースルーティングのみです。
- ルーティングの設定を完了させます。
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キューベースルーティング:「キューを作成」をクリックし、すべてまたはほとんどのチケットを対象とするカスタムキューを作成します。メモ:キューベースルーティングの場合でも、グループを割り当て、オートルーティングタグを追加するチケットトリガを追加することは、カスタムキューに該当しないメールチケットを確実にルーティングできる優れた方法です。オートルーティングタグを表示して設定できるようにするには、「グループベースルーティング」をクリックします。
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グループベースルーティング:
- デフォルトのオートルーティングタグ(auto-routing)をコピーするか、または修正してからコピーします。
このタグは、メールチャネルから作成されたチケットのうち、オムニチャネルルーティングの標準キューからルーティングさせるチケットを示すために使用します。この値は、メールチケットがどのカスタムキューの条件にも一致せず、オムニチャネルルーティングの標準キューを介してルーティングさせたい場合にのみ、キューベースルーティングで使用されます。
- 「トリガを追加」をクリックし、ルーティングしたいメールチケット(Webフォーム、サイドカンバセーション、APIを含む)にグループおよびオートルーティングタグを追加するチケットトリガを少なくとも1つ作成します。Professionalプラン以上では、トリガに優先順位を設定することもできます。詳しくは「ルーティングトリガの要件」を参照してください。
- デフォルトのオートルーティングタグ(auto-routing)をコピーするか、または修正してからコピーします。
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キューベースルーティング:「キューを作成」をクリックし、すべてまたはほとんどのチケットを対象とするカスタムキューを作成します。
- 「保存」をクリックします。
この時点でオムニチャネルルーティングをそのまま使用することもできますし、ルーティング設定を見直し、よりニーズに合うように調整することもできます。
オムニチャネルルーティングを無効にする必要がある場合は、「オムニチャネルルーティングを無効にする方法」を参照してください。
グループベースルーティングのルーティングトリガの要件
オムニチャネルルーティングの標準キューを介したグループベースルーティングでは、チケットをエージェント個人にルーティングする前に、適切なグループに割り当てるようになっています。さらに、メールチケットをルーティングするには、オートルーティングタグが必要です。またスキルルーティングを行なうのであれば、チケットにスキルの設定が必要になります。手動でグループやスキルを割り当ててルーティングタグを追加することも可能ですが、トリガを使ってこれらの操作を自動化することができます。
カスタムキューを作成した場合、オムニチャネルルーティングは、オートルーティングタグの有無にかかわらず、すべてのメール、コール、およびメッセージング会話のチケットを自動的にルーティングし、チケットの割り当てられたグループではなく、キューのグループを使用します。チケットに割り当てられたグループは無視されます。ただし、どのカスタムキューにも条件が一致しないチケットをオムニチャネルルーティングの標準キューからルーティングするには、依然としてグループの割り当てが必要であり、メールチケットにオートルーティングタグを含める必要があります。
- チャネルやタグなど、ルーティングしたいチケットを定義する条件。これには、IVRメニューからのコールに追加されるタグも含まれます。詳しくは「トリガの条件文を作成する」を参照してください。
- ルーティングを定義するアクション。
- 必要なアクション:
- グループを割り当てる(オムニチャネルルーティングのキューを使用している場合は必須ではありませんが、カスタムキューにマッチしないチケットのために便利です)
- オートルーティングタグを追加する(メールチケットのみ)
- オプションのアクション(ProfessionalおよびEnterpriseプラン)
- (ProfessionalおよびEnterpriseプラン)優先度を指定する
- (ProfessionalおよびEnterpriseプラン)オムニチャネルルーティングでスキルを使用する場合、チケットにスキルを追加したり変更するトリガを使用し、各スキルの優先度を設定することができます。
- 必要なアクション:
「トリガのアクション文を作成する」を参照してください。
ルーティングタグとグループの追加例
- 「Very important bank」という組織から届いたメールチケットにルーティングタグを追加し、「VIP」グループに割り当てたいとします。
- 「チケット > 組織 > = > Very important bank」という条件のトリガを作成します。
- 「 チケット > タグを追加 > AUTO_ROUTING_TAG」というアクションを追加します。
- 「チケット > グループ > VIP」というアクションを追加します。