Sellを使ったセールスプロセス管理を始めたばかりの方は、これまで他のツールを使用して行っていた作業をマッピングして、Sellに反映させるには、どのようにすればよいか疑問に思うかもしれません。この記事では、Selllでのセールスプロセス管理の概要、何をカスタマイズできるのか、今まで使用していたセールスプロセスをSellアカウントにマッピングする方法について説明します。
この記事では、次のトピックについて説明します。
リードを管理する
Sellでは、アカウントへのリードの取り込みをさまざまな方法で柔軟に行うことができます。たとえば、リードのデータをインポートしたり、SupportやChatからSellにリードを送ったり、WebのリードキャプチャフォームをSellに接続したり、他のアプリやサービスとのインテグレーションを設定して、それらのアプリやサービスでSellのAPIを使用してキャプチャされたリードをSellに追加したりすることができます。
Sellアカウントにリードを追加すると、リードを営業チームのメンバーに割り当て(またはラウンドロビン式の振り分けに割り当て)、セールスプロセスに沿って移動させて取引先に変換して取引を作成し、その間のすべてのアクティビティを追跡することが簡単にできるようになります。
既存のリードを取り込み、新規リードを獲得する
Sellでは(様々なソースから)既存のリードを取り込み、様々な方法で新規リードを自動および手動で継続的に追加できます。たとえば、SalesforceやHubSpot、Mailchimpなどのマーケティングオートメーションツールを使用している場合、それらのソースからリードをSellに取り込むことができます。
現在リードの獲得と管理を行っているプロセスが何であれ、Sellでサポートされている可能性が高く、Sellのセールスプロセスに統合することができます。
Sellでは、以下の方法でリードを取り込み、新規リードとして追加することができます。
既存のリードの取り込み
他のシステムに既存のリードデータがある場合は、そのデータをインポートして、Sellのリードとして扱えるようにすることができます。たとえば、以下のような方法でリードデータをインポートできます。
- CSV(カンマ区切り値)のファイル形式にして、リードデータを一括でインポートします。「リード、取引先、取引をインポートするためのCSVファイルの作成」を参照してください。
- Salesforceアカウントから同期します。「Salesforceからのデータのインポート」を参考にしてください。
- Sell REST APIを使用して、リードデータを一括インポートします。「Sell REST API」を参考にしてください。
上記の方法は、リードデータの初回および1回限りのインポートとして考えてください。リードをSellアカウントに取り込んだら、以降のリードデータの更新はすべてSellで行うようにしてください。
新規引き合いリードの自動取り込み
一般的なマーケティングオートメーションツールやリードキャプチャーツールおよびインテグレーションを使用して、キャプチャしたリードを自動的にSellアカウントに同期させることができます。また、リードキャプチャーフォーム、Sell Reach、Sell REST APIを使用することもできます。リードを自動的にSellに取り込む方法の詳細やアイデアについては、以下の記事を参考にしてください。
- ZendeskマーケットプレイスのSell向けHubSpotアプリを使用して、HubSpotから同期します。
- ZendeskマーケットプレイスからZendesk Sellアプリをインストールして、Support、Chat、Facebook、Facebook、Typeformなどのお気に入りのアプリケーションからSellにリードを取り込みます。詳しくは「Zendesk Sellアプリ・マーケットプレイス」を参照してください。
- Zapierを使えば、無数のアプリケーションから新しいリードを獲得するためのインテグレーションを素早く設定することができます。例えば、以下のような操作が可能です。
- Sell Reachアドオンを使用して、新規リードのターゲットリストを作成します。詳しくは「Sell Reachの初めての使い方」を参照してください。
- Webサイトでカスタムリードキャプチャーフォームを使用している場合は、Sell REST APIを使用します。「Sell REST API」を参考にしてください。
新しいリードの手動追加
Sellでは、直接リードを手動で追加することができます。
リードを割り当てる
既存のリードを取り込み、Sellアカウントに新規リードとして追加することを選択した場合でも、リードを追加した後、手動で、または振り分け用のプールを使用して自動的に、チームメンバーにリードを簡単に割り当てることができます(振り分け用のプールはTeamプランでは利用できません)。
リードを手動で割り当てる場合は、リードのプロフィールを編集して、チームメンバーをリードのオーナーとして選択します。詳しくは「リードまたは取引先のオーナーの変更」を参照してください。
また、リードのスマートリストのリスト表示とタイル表示を使用して、1人または複数のリードオーナーを変更することもできます。
各営業担当が個別に行うのではなく、自動的にリードを振り分けに割り当てるようにするには、まず振り分け用のプールを作成します。これにより、そのプールに追加されているチームメンバーにリードが均等に振り分けられます。振り分けはラウンドロビン方式です。振り分け用のプールに追加された最初のユーザーが最初のレコードを受け取り、すべてのユーザーが1つのレコードを持つまで、後続の各レコードがリスト内の後続の各ユーザーに順番に割り当てられます。最後のユーザーに到達すると、振り分けが再び開始され、次のレコードが最初のユーザーに割り当てられます。
詳細については、「リード、取引先、取引を割り当てるための振り分け用のプール(ラウンドロビン)の作成」と「リード、取引先、、取引をSellチーム全体に振り分ける方法(ラウンドロビン)」を参照してください。
新しいリードオーナーは、リードが割り当てられると通知を受け取り(ブラウザのアラートまたはメールメッセージのいずれかで、あるいは個々の営業担当による設定によってはその両方で)、すぐにリードとのやりとりを開始することができます。
リードアウトリーチを追跡する
チームメンバーのリードへの関わりの進展を追跡するために、スマートリストを作成してリードへのアウトリーチを監視することができます。たとえば、スマートリストを作成して、「追加日」、「前回のアクティビティの日付」、「次のタスク」、「前回のコミュニケーションからの日数」などのデータフィールドやフィルターを使用して、リードを追跡することができます。
フィールドとフィルターを使用したリードのビューのカスタマイズについては、「スマートリストの作成と使用」と「スマートリストテンプレートの作成と使用」を参照してください。
取引の進展を管理する
リードがビジネスの商談になったら、リードを取引先に変換し、取引を作成して、セールスパイプラインを通じて管理し、クロージングを行います。
リードを取引先に変換する
リードの適格性を判定するビジネスの基準に照らして、そのリードが取引先にふさわしいと評価されたら、取引先に変換します。変換されると、リードのリストから取引先のリストに移動します。
リードを取引先に変換する際に、リードのプロフィール情報に会社名が含まれていた場合は、個人用と会社用の2つの取引先レコードが作成されます。
個人用の取引先レコードは会社用の取引先レコードに関連付けられます(両レコードの間に従業員と企業の関係が確立される)。これは、すべての従業員のアクティビティが会社に関連付けられることを意味します。これにより、会社用の取引先カードで、従業員のすべてのアクティビティの概要を知ることができます(「企業と社員について」を参照)。
リード変換時に取引を作成する
リードを変換する際に、同時に取引を作成するオプションもあります(上記を参照)。
取引先に変換したリードも、会社の取引先に変換したリードも、取引のための補助取引先になります。
リードを作成すると、セールスパイプラインで最初のステージがアクティブになります。この例では「引合い」のステージです。
取引を最初に作成する際に、取引の金額や成約予定日を入力したり、カスタマーとのコミュニケーションを記録したりすることができます。
セールスパイプラインに沿って取引を移動させる
考え方としては、取引の進展とともに、成約か失注のいずれかになるまで、取引はステージ間を順次移動していきます。Sellに用意されているサンプルのパイプラインステージは、ニーズに合わせてカスタマイズできます(下記の「セールスパイプラインをカスタマイズ」を参照)。
ファネルレポートを使用して、パイプラインに沿ってステージを移していく取引の進展を監視することができます(「ファネルレポート」を参照)。
ポストセールスのアクティビティを追跡する
ポストセールスのアカウント管理やカスタマーの成功事例を追跡するために、ビジネスプロセスやセールスプロセスに応じたさまざまな推奨事項があります。会社の取引先のカスタムフィールドを作成して重要な情報を管理したり、第2のパイプラインを追加して契約更新やアップセルのセールスプロセスを管理したり、コールや訪問の結果をカスタマイズして重要なポストセールスアクティビティを追跡してレポートしたり、取引の複製などのアプリを使用して進行中のセールスアクティビティを追跡したりすることができます。作成する会社取引先のカスタムフィールドの例としては、契約更新日、企業レベルなどがあります(「Sellでのカスタムフィールドの作成と管理」を参照)。
会社取引先のデータを取得したら、取引先や取引の表示方法を変更して、ポストセールスのアクティビティを監視したり、チーム全体で使用できるスマートリストやテンプレートを作成したりすることができます。
これらのポストセールスのスマートリストは、チームメンバーがアカウントに優先順位をつけたり、次のアクションを決定したりするのに役立ちます。
詳細については、「スマートリストの作成と使用」と「スマートリストテンプレートの作成と使用」を参照してください。
セールスパイプラインをカスタマイズする
セールスプロセスのサンプルステージは、新しいSellアカウントそれぞれにデフォルトで組み込まれています。セールスパイプラインには、アクティブなステージ(新規引き合い、評価済み、見積もり、クロージングなど)とクローズドステージ(成約、不適格、失注)があります。
自社のセールスオペレーションに合わせて、ステージ数やデフォルトの成約見込みなどのセールスパイプラインのステージをカスタマイズする必要があります。Sellのセールスパイプラインをカスタマイズする方法について詳しくは、「セールスパイプラインへのステージの追加」を参照してください。
取引は、作成から完了までパイプラインの各ステージを経て移動します。パイプラインステージは、取引の完了に向けて論理的な順序で進むことが望ましいですが、順序に従うことを強制されることはありません。途中のステージをスキップすることもできます(「評価済み」から直接「成約」に移動するなど)。また、取引を前のステージにダウングレードさせることもできます(「評価済み」から「新規引き合い」に戻すなど)。
現行のセールスプロセスが、定義されたパイプライン内のステージと一致していない場合は、完了基準が定義されたパイプラインのステージにセールスプロセスを合わせることをお勧めします。これは、営業チームの追跡、管理、報告、実行のための基本的なステップです。
ステージは、セールスサイクルの長さに応じて順序立てて設定する必要があります。たとえば、通常1週間程度で完了する取引の場合は、長いセールスプロセスやパイプラインよりもステージ数の少ない、簡素なパイプラインが最適かもしれません。たとえば、アクティブなステージがクロージングではなく、見積もりのステージで終わることもあります。
セールスプロセスをパイプラインに合わせる場合は、「セールスプロセスに沿ったパイプラインステージの構成」を参考にしてください。
複数のパイプラインを使用する
複数のセールスプロセスを異なるパイプラインで追跡したい場合、複数のパイプラインを作成することができます。たとえば、ほとんどの取引をカバーし、主要なパイプラインにマッピングされた標準的なセールスプロセスがあったとしても、標準のプロセスとは大きく異なる新しいビジネスラインのために新しいセールスプロセスを開発したいとします。Sellのプランタイプに応じて、追加できるパイプラインの数に制限があります。ご利用のプランで追加できるパイプラインの数を調べるには、「Sell製品に関する制限」を参照してください。
パイプラインを複数使用する場合、新しい取引を作成する際に、どのパイプラインを適用するかを選択することができます。詳細については、「複数のセールスパイプラインの使用」を参照してください。
セールスとサポートのプロセスを統合する
社内で営業とサポートの両方を行っている組織でSellとZendesk Supportを使用している場合、この2つを連携させることで、Supportで受け取った営業関連の問い合わせを素早くSellアカウントにプッシュし、営業チームがリードを獲得してフォローアップできるようにします。サポートリクエストや問い合わせを送信してきたカスタマーを、SupportでSellのリードに変換することができます(「Zendesk SupportからSellでリードを作成する」を参照)。
リードをSellアカウントに追加した後、サポートチームとの一連のやりとりを見ることができるようになります。この情報は、時には重要な情報となり、カスタマーと商談する際に役立ちます。たとえば、カスタマーからサポートリクエストが寄せられた場合、カスタマーが抱えている問題を調査し、カスタマーリレーションシップやカスタマー満足度の状態を詳しく理解することができます。たとえば、あなたの会社の製品にカスタマーが苦労しているときに、提携しているビジネスの拡大を提案するのは良いタイミングではありません。
SellとSupportの併用については、「Zendesk Sell-Supportインテグレーションの設定」を参照してください。
定期的な支払いで取引を管理する
一部の取引で、カスタマーが所定の期間にわたって定期的な支払い(たとえば、2年間の月払いなど)を行えるように設定されている場合、次の2つのオプションを使用して、Sellでこのタイプの取引を処理することができます。
1つ目は、取引総額または契約金額を表す1つの取引を作成し、定期支払いのデータを保持するためにカスタム取引フィールドを作成する方法です。たとえば、あるカスタマーと2年契約で総額2,400ドル、月々の支払いは100ドルの契約をしたとします。Sellの取引金額フィールドを使ってMRR(100ドル)を示すこともできますし、契約の総額(2,400ドル)を示すこともできます。どちらを選択するにせよ、アカウント全体で定義し、レポートが意味のあるものになるように一貫性を保つようにしてください。上記のオプションのいずれかを選択した場合は、月々の支払いまたは契約総額というラベルの補足的なカスタムフィールドを作成して、その情報を追跡/レポートすることができます。
2つ目の方法として、定期支払いのフォローアップや処理は、通常は収益部門や財務部門が管理しているため、スマートリンク(「Sellのスマートリンクの設定と使用」を参照)、アプリインテグレーション(Sell用のFlareアプリ)、またはSell REST APIを使用したカスタムインテグレーションを使用して、財務管理システムとSellを統合する方法があります。
3つ目の互いに排他的でない方法として、Sellの取引の複製アプリをSellアカウントに追加して、定期的な支払いの数を反映した複数の取引として取引を複製する方法があります。
この場合、取引の総計金額は1つの取引に集約されるのではなく、作成した定期的な支払い取引の中に分散されます。
取引のアップセルを管理する
新しい取引と既存カスタマーへのアップセル取引を追跡するために、取引カスタムフィールドを使用するか、または2つ目のパイプラインを追加することができます。取引カスタムフィールドを使用するには、取引タイプと呼ばれる取引ドロップダウンカスタムフィールドを作成し、新規とアップセルのオプションを指定します。
その後、取引を表示する際にこのカスタムフィールドでフィルタリングし、スマートリストを作成して、さまざまなタイプの取引を追跡することができます。詳しくは、「Sellでのスマートリンクの設定と使用」と「Sellでのカスタムフィールドの作成と管理」を参照してください。
複雑なセールスプロセスを管理する
セールスプロセスが特に複雑な場合(たとえば、見積りや販売手数料などを管理するために多くのシステムや統合を使用している場合など)、このような環境を管理するためにSellにはいくつかのオプションがあります。
こちらのZendesk Appsマーケットプレイスを参照し、ニーズに合った既成のアプリやインテグレーションがないかどうか確認することをお勧めします。また、ZapierやSell REST APIを使用して、Sellアカウント内に必要なインテグレーションやワークフローを構築することもできます。または、Zendeskはインハウスコンサルティングや高度な実践的なトレーニングなども提供しています。エクスパートの支援が必要だと思われる場合は、support@zendesk.comにお問い合わせください。