Zendesk AIを搭載したAIエージェントは、カスタマーのどんな雑な問題でも完全に解決できるように設計されています。カスタマーとのやりとりにAIがますます不可欠になる中、AIエージェントを利用することで、自動化と効率化を大きく推進することができます。
この記事では、AIエージェントの機能を設定し、メールやWebフォームのサポートリクエストで会話ボットやオートリプライツールを使用できるようにするための管理タスクの概要を説明します。
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準備作業:基本的なメッセージングチャネルの設定
会話ボットの作成を計画する場合、まずボットがカスタマーとやりとりできるチャネルを1つ以上用意する必要があります。メッセージングは最もよく使用されるチャネルです。WebサイトやヘルプセンターのWeb Widget、またはAndroidアプリやiOSアプリのモバイルSDKを通じて、メッセージングを提供することができます。
まだ基本的なメッセージングチャネルを設定していない場合は、「メッセージングの初めての使い方」を参照してください。
AIエージェントのためにヘルプセンターのコンテンツを最適化する
AIエージェントは、ヘルプセンターの記事を提案したり、生成AIを使用してヘルプセンターのコンテンツから回答を作成することができます。コンテンツを最適化し、最適な記事と回答を返せるようにしましょう。
ヘルプセンターを使い始めたばかりであれば、チケットやその他のリソースを確認して、ナレッジベースに登録する問題を見つけることができます。コンテンツをいちから書き起こす場合や既存のコンテンツを編集する場合に、コンテンツ最適化のために役立つベストプラクティスがいくつかあります。
AIエージェントのためにヘルプセンターのコンテンツを最適化するには、「ボットおよびオートリプライのためのヘルプセンターのコンテンツの最適化」を参照してください。
AIを利用した会話ボットを作成する
詳細なカスタマイズをしなくても、会話ボットはすぐにセットアップできます。ボット用のチャネルを設定し、ボットを作成し、ボットをチャネルに公開して、カスタマーが利用できるようにするだけです。
AIを利用した会話ボットの設定
既存のナレッジベースを使用して、カスタマーに応答する会話ボットを設定することができます。その後、時間をかけて応答のカスタマイズを詳細に設計します。
会話ボットの作成では、以下のことが可能です。
- ボットに名前を付ける:会話相手が人間でないことを明確に示す名前を選ぶようにします。
- カスタムアバターを追加する:独自のブランド感を強調します。カスタムアバターを追加せず、デフォルトのアイコンを使用してもかまいません。
- 言語を設定する:ボットのデフォルトの言語はアカウントのデフォルトの言語と同じです。必要であれば、後からボットに複数の言語を設定することができます。
- 返答生成を使用する:すぐにボットの使用を開始できます。ヘルプセンターと返答生成を組み合わせることで、ボットが会話形式で質問に答えながら、ナレッジベースの関連性のある記事から引き出した回答を提供することができます。
- ボットに個性を与える:社風やブランドの特徴を反映するペルソナを選択します。
会話ボットを設定するには、「Webチャネルおよびモバイルチャネル用の会話ボットの作成」を参照してください。
メッセージングチャネルでのボットの使用
この時点で、追加の設定なしに、ボットは完全に機能し、公開して使用できる状態です。メッセージングチャネルでボットを稼働させるには、ボットを公開する必要があります。すぐ公開することもできますし、いったん保留にして後で公開することもできます。
今すぐボットを公開すれば、カスタマーからのリクエストを分析し、共通の問題を見つけ出して、ボットをカスタマイズすることで役立つ回答を提供できます。すでにアイデアがいくつかある場合は、公開をいったん保留にし、まずボットをカスタマイズするとよいでしょう。
ボットを公開するには、「メッセージングチャネルへのボットの追加」を参照してください。
会話ボットを回答でカスタマイズする
会話ボットを作成した後、必要に応じてボットの回答をカスタマイズすることができます。回答については、さらに誘導を必要とする会話にカスタマーを引き込めるようにする、カスタマイズされた会話フローを作成します。作成した回答を使い始めるには、会話ボットを公開(または再公開)する必要があります。
カスタマーの質問に対する回答の作成
それぞれの回答は、カスタマーからの想定される1つの質問に対応しています。会話ボットには最大で500個の回答を設定することができます。
回答を作成するには、次の2つの方法があります。
- テンプレートを利用する
- いちから回答を作成する
回答は、テンプレートに組み込まれている標準動作としての一連のステップ、またはいちから作成して設定する一連のステップから構成されます。各ステップの名前は、会話中にボットがカスタマーに表示できるメッセージを表します。
- 回答に1つまたは複数のステップを含めることができる。ステップの例としては、条件による分岐、エージェントへの転送、外部システムへのAPIコールなどがあります。
- リッチコンテンツで回答を充実化させる。絵文字、リンク、画像、GIFを追加して、カスタマーにより魅力的なエクスペリエンスを提供します。
- トレーニング用の表現を追加する。カスタマーの質問をボットに理解させます。
- 目的を回答に割り当てる。カスタマーの質問に最も関連性の高い回答を会話ボットにマッチングさせて提供させます。目的モデルを割り当てている場合は、トレーニング用の表現ではなく目的を使用できます。目的とは、カスタマーからの質問やリクエストをあらかじめ想定したトピックのことです。特定の目的を回答に割り当てると、ボットはその目的をカスタマーとの会話の中で認識するたびに、この回答を表示するようになります。
回答を作成する前に、まず利用可能なすべてのステップタイプのリストに目を通し、ベストプラクティスを十分に理解してください。
会話ボットの回答をカスタマイズするには、「カスタマーからの一般的な質問に対する会話ボットの回答の作成」を参照してください。
ボットの公開と回答の使用開始
作成した回答をカスタマーが利用できるようにするには、ボットを公開する必要があります。回答は個別には公開されません。ボットを公開すると、「公開準備完了」ステータスにあるすべて回答が公開されます。
ボットを公開するには、「メッセージングチャネルへのボットの追加」を参照してください。
AIエージェントをメールやWebフォームに拡張する
カスタマーに通知する応答にオートリプライを追加することで、カスタマーによる自己解決を支援できます。記事付きのオートリプライは、トリガを使用して返答の送信タイミングと、メールまたはWebフォームによる返答に含める情報を決定し、関連するナレッジベース記事へのリンクを3つまで追加します。
メールとWebフォームにAIエージェントを追加するには
- メールにオートリプライを追加して、メールでの返信にヘルプセンターの記事を含めるトリガを作成し、カスタマーが問題を自分で解決できるようにします。
- Webフォームにオートリプライを追加して、メールのオートリプライと同様に、Webフォームの応答にヘルプセンターの記事を含めるトリガを作成し、カスタマーが問題を自分で解決できるようにします。
AIエージェントのパフォーマンスを監視して効率を改善する
AIエージェントの機能を設定した後は、ビルトインのダッシュボードやインサイトダッシュボードを使用してパフォーマンスを監視し、継続的に効率を改善することができます。
- メールやWebフォームでの通知におけるオートリプライのパフォーマンスを分析します。提案数、解決数、クリックスルー率を向上させる要因を特定します。
- ボットと回答のパフォーマンスに関するより詳細な情報を得るために、ボットビルダーのアクティビティを監視します。
ボットを起動してから48時間を経過したら、インサイトダッシュボードを利用して、十分に有効な回答が提供されていないカスタマーの質問を特定することができます。
- インサイトダッシュボードを使用して、各種メトリック、応答パフォーマンス、およびナレッジベースの情報の不備などの概要を包括的に把握します。ボットの設定の最適化や、カスタマーのセルフサービスエクスペリエンスの向上に役立ちます。
- 会話ログを確認します。自動的に解決された会話を使用して、効果的な回答を把握することができます。また、未解決の会話ログをレビューして、解決に成功しなかった対話のパターンや類似点を確認することもできます。
- 目的の候補を使って、よくある未回答の質問を見つけることができます。目的モデルを割り当てている場合、目的の候補を追加して既存の回答を改善することや、新しい回答を作成して会話フローに組み込むことができます。