自動解決は、AIエージェントの使用量を計算し、お客様のアカウントに請求するために使用される測定単位です。
自動解決ごとに支払うということは、カスタマーリクエストがAIエージェントによって解決され、人間のエージェントにエスカレーションされなかった場合にのみ、料金が発生するということです。解決済みフラグが付けられた会話は、大規模言語モデル(LLM)によって検証され、正確性が確認されます。その結果をもとに、実際の自動化率が算出されます。
Zendeskでは、自動解決の使用状況を監視および管理するためのツールを提供しています。
この記事では、次のトピックについて説明します。
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自動解決の測定方法
自動解決は、カスタマーの問題が人間のエージェントの介入なしに解決された場合にカウントされます。自動解決は、ユーザーごとではなく会話ごとにカウントされます。1人のユーザーが複数のチャネル、ブラウザ、デバイスを経由して訪問した場合は、それぞれが個別のインタラクションとみなされます。
問題が解決済みと見なされる方法とタイミングは、使用されたチャネルによって異なります。このセクションでは、AIエージェントの使用状況をより深く理解できるように、これらの違いについて説明します。
メッセージング用AIエージェントにおける自動解決
自動解決は、メッセージングWeb WidgetやモバイルSDK、Facebook Messenger、X Direct Message、Instagram Direct、LINE、WhatsAppなどのサードパーティーのメッセージングチャネルに展開されたメッセージング用AIエージェントでカウントされます。
AIによる評価で、AIエージェントの応答が適切と判断され、かつ最後のやりとりが以下のいずれかであった場合、非アクティブ状態が72時間継続すると、そのケースはメッセージング用AIエージェントの自動解決としてカウントされます。
- エンドユーザーが肯定的なフィードバックを返した(「はい、問題は解決しました」)
- フィードバックがない場合、会話はAIを使って評価される。
- AIエージェントがエンドユーザーのリクエストに応じてヘルプセンターの記事を提供した
- 推奨記事の提示または回答フローの記事ステップを使用して記事が提供された場合、エンドユーザーは少なくとも1つの記事リンクをクリックしなければならない。
- 返答生成によって記事が提供された場合は、自動解決としてカウントされるため、エンドユーザーが記事をクリックする必要はない。
- エンドユーザーが回答フローの最終ステップに到達した
エンドユーザーとは、AIエージェント(以下のフローチャートでは「ボット」と呼ばれる)にリクエストを送信し、対話を行う人のことです。。
AIエージェント(Advanced)における自動解決
「AIエージェント - Advanced」アドオンがある場合、自動解決はメッセージングとメールのAIエージェントの両方に適用され、以下のロジックを使用して計算されます。
-
メッセージング用AIエージェントの場合:「AIエージェントが処理済み」と見なされ、LLMによる検証に合格した会話について、自動解決が消費されます。
-
メール用AIエージェントの場合:(応答が送信されたことにより)「回答済み」と見なされ、LLMによる検証に合格した会話について、自動解決が消費されます。アクションや社内メモを追加するだけでは、自動解決は消費されません。
LLMの検証プロセスでは、会話のテキストを評価し、カスタマーリクエストが人間のエージェントを介さずに適切に解決されたことを確認しますこの検証を合格しない会話は自動化されていないと判断され、自動解決は消費されません。
自動解決は、以下のロジックに基づいて決定される会話セッションの終了時に評価されます。
- メッセージング用AIエージェントの場合:最初のメッセージから2時間後(デフォルト、最大24時間まで設定可能)
- メール用AIエージェントの場合:最初のメッセージから72時間後
「AIエージェントが処理済み」または「回答済み」のステータスにある会話のみが、自動解決の対象として評価されます。すべてのエスカレーションは、会話のステータスを「AIエージェントが処理済み」または「回答済み」以外に変更します。つまり、会話が人間のエージェントにエスカレーションされた時点で、自動解決としてカウントされなくなります。
記事付きのオートリプライにおける自動解決
記事付きのオートリプライを使っている場合、以下のどちらの状況でも自動解決としてカウントされます。
- ユーザーにおすすめの記事が提案され、ユーザーが以下のフィードバックプロンプト内で「はい、リクエストを終了」をクリックした場合:
- メール通知またはWebフォームを介して開かれた記事ページに表示されるフィードバックプロンプト。
- メール通知またはWebフォームに埋め込まれたフィードバックプロンプト。
- ユーザーにおすすめの記事が提案され、72時間以内にユーザーがその記事のリンクをクリックし、かつ
- チケットのステータスが、ユーザーの返信またはエージェントのパブリック返信の前に「解決済み」とマークされた。または
- ユーザーからの返信またはエージェントによるパブリック返信がチケットに追加されなかった。
これらの処理が行われたときに、チケットがまだ終了していなければ、ai_agent_automated_resolutionタグがチケットに追加されます。
インテリジェントトリアージに基づくオートリプライに含まれる自動解決
- センチメント、言語、または目的を条件に含むトリガが、このチケットで実行された。(これは下記のトリガと同じでもかまわないが、同じである必要はない。)
- オートリプライアクションを含むトリガが、このチケットで実行された。(これは上記のトリガと同じでもかまわないが、同じである必要はない。)
- 72時間以内に、ユーザーからの返信またはエージェントによるパブリック返信がチケットに追加されていない。
Web Widget(従来版)における自動解決
エンドユーザーにWeb Widget(従来版)を使用して推奨記事を提示している場合、AIエージェントが推奨記事の提示を介して少なくとも1つの記事を提案し、エンドユーザーが少なくとも1つの記事のプレビューリンクをクリックしたか、「はい、問題は解決しました」という肯定的なフィードバックを返した場合に、自動解決としてカウントされます。
このときに、追跡目的で、エンドユーザーをリクエスタとし、担当者のない、ai_agent_automated_resolutionタグを含むチケットが作成されます。エンドユーザーのプロフィールは、編集も削除もできません。
以下の場合、会話は未解決とみなされます。
- ユーザーがオンラインチャットを開始した
- ユーザーが問い合わせフォームを送信した
- ユーザーが折り返し電話を要求した
- ユーザーが「いいえ、まだサポートが必要です」と肯定的でないフィードバックを返した
- AIエージェント(以下のフローチャートでは「ボット」と呼ぶ)がリクエストの内容を理解していなかった
Web Widget(従来版)では、操作のない非アクティブな状態が72時間続いた場合、あるいはエンドユーザーがブラウザまたはタブを閉じた場合にセッションが終了します。
自動解決の計算で考慮されないアクション
別のフローにリンクするアクションは、自動解決の数にはカウントされません。
プランごとの自動解決のデフォルトの割り当て
Zendesk SuiteおよびSupportのすべてのプランには、プランのタイプに応じて自動解決数の基準値が定められています。割り当てられた数を超えないように自動解決数を増やしたり、超過を防ぐために上限に達した時点でAIエージェント機能を一時停止したりすることができます。
アカウントで自動解決を消費したくない場合、AIエージェントに関連するすべての機能を無効にすることができます。
プランごとのデフォルトの自動解決の割り当て
Zendeskのほとんどのプランには自動解決数が含まれています。SuiteプランおよびSupportプラン以外の場合や、自動解決数が十分でないプランの場合は、必要に応じて自動解決数を追加購入することができます。
次の表は、各プランに含まれる自動解決数を示しています。ライトエージェントは、デフォルトの配分計算には含まれません。すべてのプランのアカウントには、新料金プランの発効後に適用される年間最大10,000件の自動解決が割り当てられています。さらに自動解決が必要な場合は、アカウントに追加することができます。
プラン | Zendesk Suite | Support(スタンドアロン) |
---|---|---|
Enterprise | 1か月あたり1エージェントにつき自動解決15件 | 1か月あたり1エージェントにつき自動解決15件 |
Professional Growth |
1か月あたり1エージェントにつき自動解決10件 | 1か月あたり1エージェントにつき自動解決10件 |
Team | 1か月あたり1エージェントにつき自動解決5件 | 1か月あたり1エージェントにつき自動解決5件 |
自動解決の割り当ては、非標準のサブスクリプション契約の場合を除き、毎年、またはサブスクリプション期間の終了時(1年未満の場合)に期限切れになります。
アカウントに自動解決を追加する
割り当てられた数量を超えないように、自動解決の数を増やすことができます。割り当てられた解決数を超えて使用すると、超過料金が発生することがあります。
事前に100件以上の自動解決を追加購入しておくことで、自動解決の割り当てを増量することができます。「確約利用」とも呼ばれるこの方法では、利用可能な自動解決の最大数をあらかじめ引き上げることができます。確約利用は、追加請求(または従量課金)よりも解決数あたりのコストが優れています。
自動解決の管理に追加請求(または従量課金)を選択した場合、割り当て数を超えた自動解決のコストは、固定数を追加購入して割り当て数を増やした場合の自動解決のコストよりも大きくなります。アカウントでの毎月の自動解決数を制限することで、追加請求が発生しないようにできます。サブスクリプションの条件にかかわらず、超過分は毎月請求されます。
自動解決の使用量の超過を回避する
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