Zendesk SupportとZendesk Guideを連携させると、カスタマーエクスペリエンスやサポートワークフローの設定と管理が容易になります。
Zendesk Supportは、サポート業務の強力なバックエンドとして、サポートワークフローを定義し、ユーザーとチケットキューを管理するのに役立ちます。Zendesk Guideは、ヘルプセンターとしてカスタマーに提供できます。Guideにはナレッジベースのコンテンツが含まれ、サポートスタッフにサポートをリクエストするためのアクセスを提供します。
この記事で紹介するように、このSupportとGuideは緊密に連携して動作します。カスタマーエクスペリエンスの重要な要素のいくつかは、Zendesk Guideでカスタマーに提示され、Zendesk Supportで設定および有効化されています。
最も重要なのは、SupportとGuideの緊密な連携により、エージェントがヘルプセンターのコンテンツを簡単に見つけられることです。カスタマーへの返信内に記事へのリンクを追加できるので、チケットのワンタッチ解決率が高まります。
SupportとGuideのアクセス制御について
チケットの送信とヘルプセンターの閲覧ができるようにエンドユーザーのアクセス権を設定する
カスタマーはZendeskの最も重要な要素であり、カスタマー(またはエンドユーザー)のレコードはZendeskの全製品間で共有されます。したがって、Guideの設定時には、Guideに影響するユーザーのアクセス権とロールをSupportで設定する必要があります。
Zendesk Supportの管理者は、カスタマーとセキュリティの設定ページを使用して、カスタマーに付与するアクセス権のタイプを定義します。これらのアクセス権の設定は、SupportとGuideの両方のアクセスに影響します。
- 公開型:誰でもヘルプセンターを閲覧でき、サポートリクエストを送信できます。
- 非公開型:一般公開されますが、サインインしてサポートリクエストを送信できるのは、管理者がZendeskアカウントに追加したユーザーのみとなります。
- 制限付き:すべてのユーザーがヘルプセンターを閲覧できますが、サポートリクエストを送信できるのは、管理者が承認したドメインに属するメールアドレスを持つユーザーだけです。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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チケットを送信できるユーザー、登録が必要なユーザー、ヘルプセンターへのアクセス方法、認証方法を定義します。 | ヘルプセンターを閲覧したり使用したりするために、ユーザーにサインインを要求します(非公開型のヘルプセンターを作成できます)。 以下の記事を参照:
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エージェントにGuideの管理者権限を付与する
Guideでのエージェントのロールは、デフォルトで「Guideの閲覧者」として定義されています。このロールは、ナレッジベースを利用することができますが、管理者権限はありません。コンテンツに関連した権限はロールベースではなく、Guideで設定されたユーザーセグメントによって決定されます。(「ヘルプセンターの特定のコンテンツへの表示と編集のアクセスを制限する」で述べられているように、アクセス権限には別の層があります)。
管理者は「Guideの管理者」として定義され、ユーザーセグメントに関係なく、すべての管理権限とすべてのコンテンツへのアクセスを含むGuide内のすべての権限が付与されます。管理者はエージェントにGuide管理者の全権限を付与することもできます。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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エージェントにGuide管理者の権限を付与します。 以下の記事を参照:
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ロール別のロール権限を比較します。 以下の記事を参照:
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ヘルプセンターの特定のコンテンツへの表示と編集のアクセスを制限する
ユーザーセグメントは、同じ属性を持つエンドユーザーおよびエージェントのグループであり、ヘルプセンターのコンテンツへのアクセス権の管理に使用されます。
各ユーザーセグメントには、サインインしたカスタマーまたはエージェントが含まれています。Supportのユーザープロフィールの属性に基づいて、ユーザーセグメントに含めるログインユーザーまたはエージェントを決めることもできます。ログインユーザーの場合は、ユーザープロフィールまたはユーザーが追加した組織(またはその両方)にタグを追加して含めることができます。エージェントの場合、タグおよびエージェントの所属グループに基づきます。
ユーザーセグメントは、ユーザー権限の構成要素です。ナレッジベースの記事にユーザーセグメントを適用して、閲覧権限を管理します。また、ユーザーセグメントを使用して、記事に対する編集権限および公開権限を定義する権限管理を構築し、ナレッジベースの記事に適用することができます。ユーザーセグメントは、記事ごとの表示アクセス用に1つ、管理用に1つだけ適用することができます。
ユーザーセグメントを表示アクセス用または管理用に適用すると、ナレッジベースの記事を表示または編集する権限を持つのは、そのセグメントのユーザーだけになります。Guideの管理者はすべてのセクションにアクセス可能なため、ユーザーセグメントは適用されません。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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エンドユーザーの場合は、ユーザープロフィールまたは組織にタグを追加し、ユーザーセグメントの条件として使用します。エージェントの場合には、タグとエージェンの所属グループを使用します。 エージェントにGuide管理者の権限を付与します。 以下の記事を参照:
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ユーザーセグメントを作成し、ナレッジベースの記事に適用します。 |
SupportとGuideで連携する機能を有効にする
サポートリクエストフォームのカスタマイズと作成
ヘルプセンターでエンドユーザーが利用できるサポートリクエストフォームは、GuideではなくSupportで定義されています。このフォームは、エンドユーザーがヘルプセンターの右上隅にある「リクエストを送信」リンクをクリックすると表示されます。管理者またはエージェントとしてログインしているときには、このフォームはヘルプセンターに表示されません。
デフォルトのサポートリクエストフォームには、入力必須のチケットデータフィールド(メールアドレス、件名、説明)が含まれており、エンドユーザーは添付ファイルを追加できます。必要に応じてSupportでカスタムフィールドを追加し、このフォームに変更を加えることができます。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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サポートリクエストフォームを設定してカスタマイズします。
メモ:Enterpriseプランでは、サポートリクエストのタイプに合わせて、さまざまなチケットフォームを作成できます。
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サポートリクエストフォームは、Guideのエンドユーザーに表示されます。 |
ブランドごとの複数バージョンのヘルプセンターを設定する
ほとんどのプランでは、さまざまなブランドをサポートするために、ヘルプセンターのバージョンを複数設定することができます(「ブランド別にヘルプセンターを作成する方法」を参照)。
ブランドは、独自の視覚的なブランディング要素、ドメイン名、メールサポートアドレス、ヘルプセンター、およびWeb Widget、Zendesk Talk、Zendesk Chatなどのカスタマーコンタクトポイントを含む、カスタマー向けのアイデンティティとして定義されます。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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ブランドを追加し、必要な数だけ個別のヘルプセンターを有効にします。 以下の記事を参照:
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各ブランドのヘルプセンターのコンテンツとユーザーの外観をカスタマイズして管理します。 以下の記事を参照:
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複数言語のサポート
サポートされている他の言語を有効にする場合は、追加するコンテンツの翻訳を提供する必要があります。Supportでは、ビジネスルールとサポートチケットのワークフロー(マクロ、自動化、およびトリガ)に追加するコンテンツを翻訳します。Guideでは、カスタマイズされたテーマのコンテンツ、ヘルプセンターの名前、カテゴリやセクションの見出し、ナレッジベースの記事を翻訳します。自動翻訳されるのは、ヘルプセンターの標準のユーザーインターフェイスのテキストだけです。(「リクエストを送信」など)
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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複数の言語をサポートするようにアカウントを設定します。 動的コンテンツと呼ばれる機能を使用して、マクロ、自動化、トリガに含まれるコンテンツの翻訳を管理します。 ユーザーの言語を設定および検出します。 ビジネスルールに条件として言語を含めます。 |
ヘルプセンターのデフォルト言語を指定し、サポートする言語を有効にします。 ヘルプセンターの構成に使われている単語、およびヘルプセンターのユーザーインターフェイスに追加するその他のテキストスニペットをローカライズ(翻訳)します。 ナレッジベースの記事の各言語のバージョンを作成し、記事を翻訳して公開する翻訳サービス会社とプロセスを選択します。 以下の記事を参照:
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Web Widgetを使用した、ヘルプセンターへのZendesk Support機能の埋め込み
- ヘルプセンターのナレッジベース検索
- 問い合わせフォーム
- Zendesk Chat(使用する場合)
- Zendesk Talkコールバックリクエスト(使用する場合)
- 状況依存ヘルプ
Web Widgetは、Guideのユーザーインターフェイス(チケットフォームとナレッジベースの検索)ですでに提供されている機能のコンテナになりますが、Guideにこれを含める理由はChatを提供することと、ヘルプセンターのすべてのページからすばやくこれらのコンポーネントにアクセスできるようにするためです。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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Web Widgetを有効にして設定します。 Web Widgetコードを生成し、あらゆるWebサイトに追加できます。 |
ヘルプセンターにWeb Widgetを表示できるようにします。 以下の記事を参照:
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エージェントがチケットにセルフサービスを組み込むことを可能にする
ヘルプセンターのセルフサービスコンテンツへのカスタマーの誘導
Guideで提供するセルフサービスコンテンツの利用率を上げるには、カスタマーをGuideに誘導することが重要です。Zendesk Supportのエージェントインターフェイスを使用して、Guideのコンテンツへのアクセス量を増加させることができます。
ヘルプセンターの記事へのリンクをグローバルマクロに追加できます。エージェントは、カスタマーへの返信用に個人のマクロに記事へのリンクを手動で追加します。
エージェントは、Supportのナレッジキャプチャーアプリを使用して、ヘルプセンターの記事に簡単にアクセスできます。エージェントはチケットを離れることなく、関連する記事をすばやく検索して、関連する記事へのリンクを返信に挿入することができます。
もう1つの選択肢は、Answer Botを使用し、機械学習を使用して自動的に関連性のありそうなナレッジベース記事をリストしてサポートリクエストに対応させることです。Answer BotはすべてのSuiteプランで提供されますが、Guideのアドオンとして購入することもできます。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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エージェントはナレッジキャプチャーアプリを使用して、チケットの返信にヘルプセンターの記事へのリンクを挿入することができます。 Answer Botのトライアルを開始して、関連するヘルプセンターの記事へのリンクを作成しサポートリクエストに自動的に応答します。 |
エージェント、ナレッジキャプチャーアプリ、およびAnswer Botが使用するナレッジベースのコンテンツを提供します。
以下の記事を参照:
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ナレッジベースに関するフィードバックの提供と新しいコンテンツの投稿
エージェントは、ナレッジベースのコンテンツと絶えずやりとりし、記事の効果のほどを直接体験しているので、ナレッジベースの開発とメンテナンスに積極的に関わる必要があります。
ナレッジベースのコンテンツの開発を開始するときは、サポートデータを分析して、カスタマーに大きな問題や混乱を与えている領域を特定し、それの文書化に力を入れることができます。
ナレッジキャプチャーアプリを使用すると、エージェントは簡単にナレッジベースの記事を検索して、カスタマーへの回答に記事へのリンクを追加することができます。また、注意が必要な記事にフラグを立てたり(たとえば、誤りを正すための更新)、アプリ内から新しい記事を作成することもできます。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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Supportのレポートツールを使用して、カスタマーのどの問題を文書化する必要があるか理解します。 文書化の必要な問題には、チケットタグ付けプロセスを使用してフラグを立てます。 チケットフォームの「説明」フィールドを使用して、注意と文書化が必要な問題をキャプチャして分類します。 ナレッジキャプチャーアプリを使用して、エージェントがエージェントインターフェイス内からナレッジベースに投稿できるようにします。 |
エージェントが直接、Guideのナレッジベースのコンテンツを管理し、投稿することを許可します。 エージェントがナレッジキャプチャーアプリを使用して記事にフラグを立てたり記事を作成したりできるようにします。 チームパブリッシングを使用してコラボレーションワークフローを設定し、コンテンツのレビュー、承認、公開を行うことで、エージェントが記事の作成と管理を共同で行えるようにします(Enterpriseプランのみ)。 |
SupportとGuideでエンドユーザー向けコンテンツを管理する
ヘルプセンターでのユーザーアクティビティの測定
ナレッジベースについては、作成された記事の数、閲覧数、投票、受信登録、およびコメントがSupportによって追跡されます。検索レポートは、カスタマーが探しているものや、探しているものが見つかったかどうか、検索後に作成されたチケットの数などのデータに基づく分析を提供します。
ナレッジキャプチャーアプリやAnswer Botを使用している場合、既定のダッシュボードでそれらのアクティビティを確認することができ、Supportの標準レポートツールが大幅に拡張されます。
すべてのGuideプランでは、オプションでGoogleアナリティクスを使用して、セッション数とユーザー数、ページ閲覧数、平均セッション時間、直帰率といったWebサイトのアクセスに関するメトリックをトラッキングすることができます。Googleアナリティクスのアカウントを設定し、GoogleアナリティクスをGuideに接続します。
ヘルプセンターのアクティビティとセルフサービスチャネルの効果の測定については、「セルフサービスの測定とチケットの削減」を参照してください。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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Supportでレポートダッシュボードを使用して、ナレッジベースと検索のアクティビティを追跡します。 ナレッジキャプチャーおよびAnswer Botを使用している場合、それらのアクティビティをZendesk Exploreで追跡します。 |
Googleアナリティクスのアカウントを設定し、Guide管理の設定ページにトラッキングID番号を追加し、GoogleアナリティクスでWebサイトのアクセス状況を追跡します。 |
ヘルプセンターでのエンドユーザーのコンテンツ管理
エンドユーザーが投稿したすべてのコンテンツ、または特定の単語を含むエンドユーザーのコンテンツを、許可するまで公開されないようにGuideを設定することができます。コンテンツの審査を有効にすると、コンテンツは、審査の設定に基づいてキューに送信され、ヘルプセンターで公開される前にGuideの管理者によってレビューおよび承認されます。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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エージェントにGuide管理者の権限を付与し、Guideのコンテンツを管理できるようにします。 以下の記事を参照:
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管理者およびGuideの管理者権限を持つエージェントは、コンテンツの審査を有効にし、エンドユーザーの投稿コンテンツを管理し、スパムおよびスパムのユーザーアカウントを処理します。 以下の記事を参照:
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スパムの管理
SupportとGuideには、スパムおよびスパムに関わるユーザーアカウントを防止、管理、および削除するためのツールが用意されています。
Supportでは、メールチャネル経由のサポートリクエストのフィルタリング機能が提供されているため、スパムリクエストは表示されず、チケットキューで対処する必要もありません。ただし、そのフィルターですべてのスパムを捕捉できるわけではありません。また、受信サポートリクエストやメールのタイプによっては、疑わしいリクエストとしてフラグが立てられることもあります。このような場合、Supportはそれらを一時停止し、一時停止チケットビューに保持したうえで、手動で審査にかけることができます。
Guideでは、スパムはナレッジベースのコメントの形式で送られてきます。ヘルプセンターでは、スパム対策としてスパムフィルターがデフォルトで有効になっており、エンドユーザーの新規投稿や編集された投稿、スパムと思われるコメントがヘルプセンターに公開されないようにします。
フィルターを通過してしまう可能性のあるスパムの個々のインシデントに手動でフラグを立てて削除することができます。Guideで個々のスパムを管理する場合、スパムコンテンツを削除するだけでなく、スパムコンテンツを作成したユーザーを一時停止することもできます。ユーザーを一時停止すると、そのユーザーはチケットの提出やヘルプセンターでの投稿やコメントができなくなります。
ヘルプセンターにあるすべてのスパム対策ツールの詳細については、「ヘルプセンターのスパム防止について」を参照してください。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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Zendesk Supportは、スパムをフィルタリングし、メールなどの受信サポートチャネルからのスパムを防ぎます。 スパムの疑いはあるが確定できない受信メールを一時停止し、一時停止チケットビューに送ることができます。 一時停止されたチケットを確認するときや、ユーザーのアカウントプロフィールでユーザーの利用を停止することができます。 以下の記事を参照:
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ナレッジベースのコメントをスパムとして手動でマークします。 オプションで、エンドユーザーを一時停止し、ヘルプセンターで作成したすべてのコンテンツを削除することもできます。 コンテンツの管理を有効にして、ヘルプセンターに表示されるエンドユーザーコンテンツを管理します。 |
ヘルプセンターのコメントからチケットの作成と管理
ヘルプセンターはセルフサービスのチャネルです。その目的は、カスタマーがカスタマーサポートに問い合わせを行わずに(つまり、チケットが作成せずに)自分で問題を解決できるようにすることです。ただし、管理者はヘルプセンターを監視し、ヘルプセンターの関係者としてアクティブになっている必要があります。
最も重要なことは、ヘルプセンターに届いた質問を未回答のまま放置しないことです。そのため、1人または複数のエージェントにヘルプセンターを監視させ、他のカスタマーが答えられないときに質問に回答することがベストプラクティスです。
Zendesk Support | Zendesk Guide |
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ヘルプセンターでコメントから作成されたチケットを管理して解決します。 | コメントからチケットを作成して、ユーザーの質問をフォローアップするか、問題を個別に取り上げます。 以下の記事を参照:
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