この記事では、旧バージョンのTymeshiftアカウントをZendeskワークフォースマネジメント(WFM)アドオンに移行する方法について説明します。WFMアドオンは、Zendeskを利用する管理者とエージェントのユーザーエクスペリエンスを向上させ、高速で安定したプラットフォームと包括的なレポーティング機能を提供します。
現在旧バージョンのTymeshiftをご利用いただいているお客様には、アカウント移行の30日前にメールでお知らせします。移行予定日より前にWFMアドオンへの移行をご希望の場合や、ご不明な点がある場合は、お客様のZendesk営業担当者またはZendeskカスタマーサポートまでお問い合わせください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
旧バージョンのTymeshiftプランの種類
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Tymeshift 2022:「V2 」とも呼ばれます。旧バージョンのTymeshift 2022プランでも、WFMアドオンと似たような機能が提供されていますが、管理者エクスペリエンスの向上、ユーザー管理の簡素化、Zendeskによる課金処理への変更などの機能強化が行われています。詳細については、「旧バージョンのTymeshift 2022プランとWFMアドオンの違い」を参照してください。
Tymeshift 2022プランをご利用のお客様には、2024年7月30日からWFMアドオンへ移行することを既にメールでお知らせしています。ご不明な点がございましたら、そちらのメールにご返信ください。また、お客様のZendesk営業担当者またはZendeskカスタマーサポートにもお問い合わせいただけます。
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Tymeshift V1:Tymeshift V1プランをご利用のお客様には重要な変更があり、完全統合型のワークフォースマネジメントソリューションが提供される予定です。詳細については、「旧バージョンのTymeshift V1とWFMアドオンの違い」を参照してください。
このプランをご利用のお客様には、アカウントの予定されているアップグレードの前にメールでお知らせし、2025年にプランが終了することを製品内通知でお知らせします。
旧バージョンのTymeshiftとWFMアドオンの違い
WFMアドオンでは、新しい改善点や早期アクセスプログラム(EAP)で新機能を試用できるオプションなど、旧バージョンのTymeshiftプランでは利用できない機能が提供されます。
さらに、tymeappのURLからではなく、Zendeskの製品トレイから直接WFMアドオンにアクセスできるようになります。このように、Zendeskとの統合性が高められています。詳しくは「Zendesk WFMへのアクセス」を参照してください。
旧バージョンのTymeshift V1の機能のうち、WFMアドオンではまだ利用できない機能がいくつかあります。今後も製品開発を進めていく中で、Zendeskはすべてのアカウントで移行がスムーズに行われるように努めていきます。最新情報については、定期的にこの記事をフォローして参照することをお勧めします。
旧バージョンのTymeshift 2022プランとWFMアドオンの違い
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一般タスク、アカウント設定、ユーザー管理、およびロールと権限の4つの管理ページが更新されました。メモ:2022年以降に購入された旧バージョンのTymeshift 2022 Professionalプランのお客様は、移行後も引き続きダッシュボード、エージェントのステータス、サポート担当者の勤務時間の各ページにアクセスできます。それ以前にTymeshift 2022 Professionalプランを購入されたお客様は、すでにこれらのページにアクセス可能になっています。
- まだ自動化を使用していない場合は、ルールが自動化に置き換わります。詳しくは「ワークフォースマネジメントの自動化について」をご覧ください。
旧バージョンのTymeshift V1とWFMアドオンの違い
旧バージョンのTymeshift V1とWFMアドオンとでは機能が大きく異なります。WFMアドオンの高速で安定したプラットフォームでは、管理者とエージェントの操作性が向上しています。定期的に新しい機能が追加され、改善が施されています。
- インバウンド業務量とニーズの予測によって、スケジューリング作業が簡単になります。
- エージェントは、システムを切り替えることなく、Zendesk Support上でスケジュールをすばやく表示し、休暇を申請できるようになります。これらの変更は、Zendeskと最新のワークフォースマネジメントソリューションを完全統合するために行われています。
旧バージョンのV1プランとWFMアドオンの違いについては、以下の表をご参照ください。
機能名 | V1 | WFMアドオン | 説明 |
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エージェントのアクティビティ | 〇 | 〇 | WFMアドオンは、Zendeskチケットに直接リンクすることで、より詳細な情報とアクティビティの編集機能を提供します。 |
エージェントのステータス | 〇 | 〇 | 各エージェントがタスクに取り組んでいる時間やTalkの状況など、各エージェントが取り組んでいる作業をリアルタイムで確認できるように改良されました。 |
サポート担当者の勤務時間 | 〇 | 〇 | 勤務中のエージェント、指定時間後に勤務を開始した可能性のあるエージェント、欠勤したエージェント、記録された勤務時間、休暇中のエージェント、超過勤務のエージェントを確認できます。 |
サポート担当者の勤務時間レポート | × | 〇 | エージェントの過去の勤務時間を確認できます。 |
ルール | 〇 | 〇 | 自動化は、WFMアドオンのルールに置き換わります。 |
ユーザー管理 | × | 〇 | WFMアドオンでは、ユーザーの全リストにアクセスでき、ユーザー情報の表示、並べ替え、フィルタリングなどのオプションが提供されます。 |
通知 | 〇 | 〇 | 休暇やシフト交換の申請時や新しいスケジュールが公開された際に通知を受けることができます。 |
生産性レポート | 〇 | 〇 | WFMアドオンでは、ポイントのメトリックと公開/非公開のコメントを使用して、さまざまな角度から見た生産性レポートを作成できます。 |
スコアカード | 〇 | × | スコアカードは、将来のリリースで、WFMアドオンで提供される予定です。 |
タイムカード | 〇 | 〇 | WFMアドオンでは、「エージェントのアクティビティ」ページと権限+範囲設定から利用できます。 |
エージェントのランキングチャート | 〇 | × | レポートをCSVにエクスポートし、ニーズに合わせてカスタマイズできます。ランキングチャートは、将来のリリースで、WFMアドオンで提供される予定です。 |
ダッシュボード | 〇 | 〇 | WFMアドオンには10個のダッシュボードがあり、ユーザーは各ダッシュボードに最大12個のウィジェットを追加できます。 |
Talkのメトリック | 〇 | × | Talk関連のメトリックは、将来のリリースで、WFMアドオンで提供される予定です。 |
CSATのメトリック | 〇 | × | CSATのメトリックは現在WFMアドオンには含まれていません。 |
予測 | × | 〇 | WFMアドオンでは、Zendeskインバウンド業務量の2年分のデータを考慮した予測を提供します。人員調整パラメータを設定することで、最大1年間の必要配置人数を予測することができます。 |
手動スケジュール | 〇 | 〇 | |
自動スケジュール | × | 〇 | WFMアドオンは、予測(インバウンド業務量)に基づいて生成される自動スケジュールを提供します。 |
Zendesk Supportでの休暇管理 | × | 〇 | エージェントはZendesk Supportで休暇を申請することができます。休暇申請はマネージャーの承認を受けるために送信されます。 |
Zendesk Supportでのシフト交換管理 | × | 〇 | エージェントは他のエージェントとのシフト交換をZendesk Supportからリクエストできます。 |
組織の構造 | × | 〇 | 仕事をする場所、ワークストリーム、チーム、休暇の理由などの組織構造を設定します。 |
インテグレーション | × | 〇 | エージェントがGoogleカレンダーとスケジュールを同期できるようにします。 |
管理ログ | 〇 | 〇 | 監査ログが管理ログに代わり、追加情報を含むように拡張されました。 |
一般タスク | 〇 | 〇 | 一般タスクの説明、チームの権限、占有率の設定の拡張、ワークストリームの選択機能が改善されました。 |
エージェントの権限 | 〇 | 〇 | エージェントの権限を「ロールと権限」ページで一元管理できるようになりました。 |
また、旧バージョンTymeshift V1の一部のメトリックは、WFMアドオンでは名称と計算方法が異なります。詳しくは「WFMカスタムレポートのメトリック」を参照してください。
Tymeshift V1とWFMアドオンの計算の相違点を以下の表に示します。
WFMアドオンでの名称 | V1での名称 | V1での計算方法 |
参加ポイント | Attended Tickets | ステータスを解決済みに変更しただけの場合、エージェントは参加ポイントは付かず、解決済みポイントだけ付きます。 |
エスカレーションポイント | Escalated Tickets |
以下の条件を満たすとポイントが付きます。 - チケットグループが変更された - チケットはこの監査では解決されなかった - 監査作成者とは異なるエスカレーションされたエージェント(担当エージェント) - 過去に作成されたエスカレーションポイントがない |
処理ポイント | Handled Tickets | WFMアドオンの直近12時間ではなく、UTCの日付。 |
再オープンポイント | Reopened Tickets | ポイントは、そのチケットで最後に解決ポイントを獲得したエージェントではなく、最後の担当者に付与されます。 |
解決ポイント | Solved Tickets |
エージェントは以下の場合に解決ポイントが付けられます。 - ステータスが解決済みに変わった - エージェントはこれまでこのチケットの解決済みポイントを持っていない |
初回応答時間(FRT) | First Response Time (FRT) |
エージェントは以下の場合にFRT値を受け取ります。 - アクティブなエージェントからチケットがパブリックコメントを受け取る - チケットにFRT値がない FRT値は、監査時刻とチケット作成時刻との時間差。 |
一意のチケット数(消費時間レコードあり) | Tickets Touched |
選択した時間間隔内の一意のチケット数。 |
解決率 | Resolution Rate | エージェントが解決したチケットの数と比較して、エージェントが受け取ったチケットの割合。WFMアドオンでは、これはエージェントに割り当てられたチケットの割合として計算されます。 |
移行に関する注意事項
お持ちのTymeshiftのバージョンによってWFMアドオンへの移行方法が異なります。
移行が行われる前に、移行予定日が記載された通知メールが届きます。その日に、お客様のアカウントが拡張版のZendesk WFMに更新されます。
移行を開始する前に以下のことを確認してください。
旧バージョンのTymeshift 2022からの移行
旧バージョンのTymeshift 2022からWFMアドオンに移行される際に、スケジュール、メトリック、カスタムレポートなどの過去のTymeshiftデータは、WFMアドオンに自動的に引き継がれます。
移行が実施される前、あるいは遅くとも2025年1月31日までに、以下の措置を講じる必要があります。
- ルールをまだ使用している場合は、移行前に削除する必要があります。「ルール設定」ページを選択し、WFMアドオンで使用するルールをメモします。そのルールは、あとでWFMの自動化によって再作成できます。詳しくは「WFMの自動化の作成」を参照してください。
- 「エージェントの権限」ページにアクセスします。フィルタリングオプションを使用して、タスクロックユーザーの設定を有効しているエージェントを見つけて、メモします。
旧バージョンのTymeshift v1からの移行
旧バージョンのTymeshift V1からWFMアドオンへ移行する場合、履歴データは移行されません。
旧バージョンのTymeshift 2022をご利用のお客様については、上記の処置に加えて、以下の設定も再構築する必要があります。
- スケジュール作成
- レポーティング
移行が実施される前、遅くとも2025年5月30日までに、「ルールの設定」ページにアクセスし、WFMアドオンで再構築するルールと、「エージェントの権限」でタスクロックの設定を確認してください。
WFMアドオンの設定時期が近づくと、アカウント管理者にメールが届きます。
管理者はWFMの自動化にアクセスし、保存されているルールがあれば、それを自動化として再構築する必要があります。また、選択されているエージェントがいれば、そのタスクロック設定を更新する必要があります。
WFMアドオンでのスケジュール作成やレポーティング機能、その他の機能の再構築のサポートが必要な場合は、お客様のZendesk営業担当者またはZendeskカスタマーサポートにお問い合わせください。