「Zendesk Suiteの使い方」でご説明したように、Zendesk Suiteは、さまざまな製品と機能のコレクションであり、完全なオムニチャネルサポートソリューションを作成するために必要なツールを提供します。Zendesk Suiteは、カスタマーとのやりとりに使用するすべてのコミュニケーションチャネルをシームレスに統合するチケット管理システムです。
この記事は、Zendesk Suiteをサポートチームやカスタマーにロールアウトする必要のある管理者を対象としています。概要を説明した「Zendesk Suiteの使い方」とは異なり、この記事では、Zendesk Suiteサポートソリューションをセットアップして起動するために必要な情報やタスクを紹介しています。また、サポートソリューションを最適化し、強化する方法についても説明しています。
多くの手順はオプションですが、手順の間には依存関係があるため、これらのローンチタスクを順番どおりに行うことが重要です(ある手順は次の手順より先に実行される必要があります)。この記事を最大限に活用するためには、順番どおりにセクションを進んでください。
この記事では、次のトピックについて説明します。
- オムニチャネルサポートソリューションの計画
- 組織構造の定義
- カスタマーサポートエクスペリエンスの定義
- ユーザーアクセスのセキュリティと認証の設定
- 外部のアプリとサービスの統合
- スタッフメンバーとエンドユーザーの追加
- ヘルプセンターの設定とナレッジベースの作成
- オートリプライによるサポートの自動化
- Webおよびモバイルのメッセージングチャネルの設定
- 音声通話チャネルの設定
- チケットルーティングとワークフローの定義
- エージェントのトレーニング
- 本番稼働前のテスト
- カスタマーへの本番稼働
- ソーシャルメッセージングチャネルの追加
- レポートと分析機能によるパフォーマンスの監視
- グローバルサポートの提供
- エージェントおよびチームの生産性の向上
- 顧客基盤の維持と拡大
オムニチャネルサポートソリューションの計画
Zendesk Suiteによるオムニチャネルサポートソリューションを開始するための最初のステップは、まずカスタマーに公開するコミュニケーションチャネルを決めることです。カスタマーが好むチャネルを使ってサポートを提供しましょう。Zendesk Suiteでは、オンラインチャット、メッセージング、電話での会話、ソーシャルメディアでのメッセージング、メールでのメッセージ、モバイルデバイスでのメッセージ、多くの一般的なWebアプリケーションやサービスでのメッセージなど、想像できる限りのさまざまな選択肢があります。
カスタマーに提供するチャネルを決定することで、必要なエージェントの数やスキル、エージェントの育成に必要なトレーニングなどを決定することができます。また、組織構造や、サポートリクエストを処理するためのワークフローを定義することもできます。さらに、サポートを提供するビジネスや組織のタイプによって、Zendesk Suiteの設定方法がどのように変わるかを考える必要があります。
ここでは、サポートソリューションの設定を始める前に考慮すべき点をいくつかご紹介します。
- チャネルオプションについては、「Zendeskの各種チャネルについて」を参照してください。顧客満足度やサポートコストを管理するためのチャネルの最適な使い方については、「Zendeskでオムニチャネルサポートを容易に実現」(PDF)をご覧ください。
- サポートの提供対象の相手に応じて、Zendeskサポートソリューションをどのように設定するかを検討します。詳しくは「企業間(BtoB)サポートでのSupportの利用」、「企業対消費者間(BtoC)サポートでのSupportの利用」、または「企業対従業員間(BtoE)サポートでのSupportの利用」の各記事を参照してください。
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エージェントワークスペースは、Zendesk Supportのチケットインターフェイスです。エージェントが複数のチャネルをまたいでシームレスに作業できるようにします。エージェントがサポート対応でカスタマーと交わした会話はすべてこの1つのインターフェイスにまとめられます。エージェントワークスペースでの作業は、Zendeskでサポートリクエストを処理するためにエージェントが最初に知る必要がある情報です。「Zendeskエージェントワークスペースについて」を参照してください。
もちろん、ローンチ後にチャネルを追加したり、ワークフローを変更したりすることは可能ですが、最善の方法は段階的なアプローチをとることです。たとえば、音声通話の使用を開始して特に複雑なチケットについて電話対応します。また、Webサイト上にプロアクティブなオンラインチャットを実装することで、チャットのフローとチャットに対応するオンラインエージェントの必要性を、より適切にコントロールすることができます。
組織構造の定義
カスタマーに提供するチャネルが決まったら、次のステップとして、スタッフメンバーの組織構造とロール構造を作成します。これはZendesk Supportで行います。
スタッフメンバーのロールには、エージェントと管理者の2種類があります。エージェントはチケットの解決を担当します。管理者もチケットを解決できますが、Suiteの管理機能にもアクセスができ、たとえばワークフローを設定することができます。管理者やエージェントがZendesk Suite製品でできることはさまざまです。また、製品ごとに追加のロールがあり、Zendesk Suiteの一部のバージョンでは、カスタムロールを作成することもできます。
グループは、スタッフメンバーを組織化するために使用します。組織は、エンドユーザーの集まりですが、スタッフメンバーを含めることもできます。それぞれの使用方法については、「組織とグループについて」を参照してください。
組織構造は、このガイドの後続のステップでワークフローを定義する際に必要となるため、最初に設定しておくとよいでしょう。スタッフメンバー(およびエンドユーザー)の追加は、設定プロセスの後半で行います。
カスタマーサポートエクスペリエンスの定義
カスタマーのサポートのエクスペリエンスの要素として、サポート用メールアドレス、ヘルプセンター、ソーシャルメディア、その他の設定チャネル、Zendeskを埋め込んだ場所(Webサイトやモバイルアプリ)など、さまざまなコンタクトポイントが挙げられます。
Zendeskでは、カスタマーのコンタクトポイントを集めたものを「ブランド」と呼んでいます。Zendesk Suiteのプランに応じて、5~300種類の異なるブランドを持つことができます。たとえば、BtoCのカスタマーとBtoBのカスタマーの両方にサポートを提供し、それぞれに異なるエクスペリエンスを提供したいとします。
サポートエクスペリエンスのもう1つの要素は、ライブ(オンラインチャットや音声通話など)で直接やりとりしていないカスタマーがサポートリクエストを送信する方法です。カスタマーがサポートリクエストを送信する際に、カスタマーから提供してもらう必要のあるデータの種類をカスタマイズすることができます。
以下のタスクは、ブランドを設定し、チケットのエクスペリエンスをカスタマイズする際に行うタスクです。これらはSupportで行います。
ローンチのタスク
ブランドを作成する | はじめに | 記事 | アドバイス | ビデオ |
サポートアドレスを追加する | はじめに | 記事 | アドバイス | |
営業スケジュールを設定する | はじめに | 記事 | アドバイス | ビデオ |
カスタムチケットフィールドを作成する | はじめに | 記事 | アドバイス | ビデオ |
チケットフォームを複数作成する * | はじめに | 記事 | アドバイス | ビデオ |
メール通知をカスタマイズする | はじめに | 記事 |
* Zendesk SuiteのGrowthプラン以上のプランで利用できます。
カスタマサポートエクスペリエンスを完成させるためには、もう少しやるべきことがありますが、その前にサポートソリューションの他の部分を設定しておきましょう。この記事の次のセクションでは、カスタマーサポートのエクスペリエンスを完成させるために必要な情報をご紹介します。
ユーザーアクセスのセキュリティと認証の設定
ユーザーをZendeskアカウントに追加する前に、スタッフとカスタマーの両方について、アクセスのセキュリティと認証を定義する必要があります。
スタッフメンバーは全員、Zendesk Suiteのすべての部分にサインインする必要があり、パスワードのセキュリティレベルや、使用する認証の種類を定義することができます。Zendeskのユーザー認証はデフォルトで有効になっていますが、MicrosoftやGoogleを使用したサードパーティ認証や、さまざまなサービスを使用したシングルサインオンを選択することもできます。
カスタマー(Zendeskでは「エンドユーザー」と呼ばれる)に対してサインインを要求する場合、スタッフメンバーと同じパスワードや認証のセキュリティレベルや種類から選ぶことができます。さらに、X(旧Twitter)やFacebookのアカウントを使ってサインインできるようにするオプションも用意されています。
エンドユーザーのアクセスに関するオプションの概要については、「エンドユーザーのアクセスとサインインのオプションの概要」を参照してください。
アクセスのセキュリティと認証は管理センターで定義されます。
外部のアプリとサービスの統合
ビジネスの一部やカスタマーの管理に外部アプリケーションや外部サービスを利用している場合は、それらをZendeskアカウントに統合することができます。
たとえば、Salesforce、Jira、Slackを使用している場合、これらのアプリケーションでもユーザーデータやチケットフローを管理することができます。また、Zendeskマーケットプレイスからアプリを追加して、SurveyMonkeyなどの人気サービスと統合することもできます。
さらに、チケットが作成または更新されたときに、外部のターゲットに通知することも可能です。外部のターゲットには、HTTPやメールだけでなく、クラウドベースのアプリケーションやサービスを含めることができます。
アプリや外部のインテグレーションの設定はSupportで行います。
スタッフメンバーとエンドユーザーの追加
組織構造が整ったら、Zendeskアカウントにエージェントを追加し、ロールやスキルを割り当て、作成したグループや組織に追加し、特定のチャネルやZendesk Suiteの一部へのアクセスを設定できるようになります。
また、すでにサポートを提供しているエンドユーザーのデータベースがある場合は、それらのエンドユーザーをZendeskアカウントに追加することもできます(Zendeskを使い始める前に、他のシステムを使ってユーザー管理やサポートを行っていた場合など)。
エンドユーザーをアカウントに追加するもう1つの方法は、エンドユーザーがサポートを求めてきたときに追加するやり方です。たとえば、カスタマーに提供しているすべてのチャネルでは、チャネル経由でサポートがリクエストされると、新しいユーザーアカウントが自動的に作成されます。エンドユーザーが既にZendeskにアカウントを持っている場合は、新しいサポートリクエストは既存のアカウントに結び付けられます。必要に応じて、エンドユーザーアカウントの詳細については「エンドユーザーアカウントがZendesk Suite内でどのように処理されるかを理解する」で確認してください。
「ユーザーアクセスのセキュリティと認証を設定する」で行った、パスワードのセキュリティとユーザー認証を定義する手順は、Zendeskアカウントに追加したユーザーにも適用されます。
アカウントへのユーザーの追加は、Supportおよび管理センターで行います。
ヘルプセンターの設定とナレッジベースの作成
前述の「カスタマーサポートエクスペリエンスの定義」のセクションでは、カスタマーにとって重要なコンタクトポイントを設定し、サポートエクスペリエンスのブランドを定義しました。カスタマーのサポートエクスペリエンスを完成させるためには、Zendesk Guideでヘルプセンターを設定し、ナレッジベースを作成する必要があります。
ヘルプセンターは、カスタマー向けのサポート窓口のひとつです。ヘルプセンターでは、サポートリクエストの送信、サポートリクエストの追跡、オンラインチャットやメッセージングでのエージェントとのやりとり、ナレッジベースの記事によるセルフサービスの利用などが可能です。
ヘルプセンターの設置は任意ですが、ナレッジベースのコンテンツを作成するにはZendesk Guideを使用します(たとえば、Webサイトやモバイルアプリにヘルプセンターではなく、Zendeskのサポートエクスペリエンスを組み込むこともできます)。ナレッジベースを持つことは、チケットを削減するための埋め込み型サポートエクスペリエンスに不可欠な要素であり、Zendeskボットやメッセージングを使ってサポートの会話を自動化するための鍵となります。また、ナレッジベースはカスタマーと同様、エージェントにとっても価値のあるものです。
カスタマーのサポートエクスペリエンスを完成させるためには、Zendesk Guideでヘルプセンターを設定し、ナレッジベースを作成する必要があります。
ヘルプセンターはセットアップモードのままにしておくことができます。そうすることで、Zendeskのサポートソリューションの他の部分を立ち上げる準備が整うまで、エンドユーザーはヘルプセンターを利用できません。ヘルプセンターを本番稼働させる準備ができたら、以下の「カスタマーへの本番稼働」を参照してください。
ローンチのタスク
Guideユーザーのロール、アクセス、権限の設定
Guideでは、コンテンツへのアクセス、作成、および管理に特化したロールをエージェントに定義できます。たとえば、エージェントをGuide管理者にして、コンテンツの作成や管理を行えるようにすることができます。
ヘルプセンターの設計
Guideには、企業や組織のブランドに合わせて変更できるヘルプセンターのテーマが多数用意されています。また、ヘルプセンターの基盤となるコードを詳しく調べて、より複雑なカスタマイズを行うこともできます。
コンテンツ構造の作成と記事の追加
ナレッジベースは、カテゴリとセクションに整理された記事で構成されています。カテゴリとは、ヘルプセンターを整理するための最上位のコンテナです。カテゴリには、ナレッジベースの記事を含むセクションが含まれます。たとえば、「マイプロダクト」セクション>「使用方法」カテゴリ>(使用方法の記事)のように構成されます。
スタッフが作成したコンテンツの公開ワークフローの設定
エージェントがコンテンツを作成できるだけでなく、エージェントが作成したコンテンツをいつ、どのように公開するかを制御することもできます。エージェントワークスペースで利用できるナレッジキャプチャーアプリを使うと、エージェントはナレッジベースの記事に簡単にアクセスしてリンクを貼ることができます。また、新しい記事を作成することもできます。つまり、エージェントはナレッジキャプチャーアプリを介してコンテンツを作成できるだけでなく、Guideのオーサリングツールを使用することもできます。どちらの場合も、ワークフローを作成して、エージェントのコンテンツの公開方法を制御することができます。
* Zendesk SuiteのGrowthプラン、Professionalプラン、Enterpriseプラン、Enterprise Plusプランで利用できます。
** Zendesk SuiteのEnterpriseプランおよびEnterprise Plusプランで利用できます。
ユーザーコミュニティの作成と管理
ヘルプセンターにコミュニティコンポーネントを追加するには、Zendesk Gatherを使用します。これにより、エンドユーザーが投稿を行い、質問やフィードバックを提供したり、コミュニティに参加している他のエンドユーザーとベストプラクティスを共有したりすることができます。エンドユーザーは、投稿や記事にコメントを追加することもできます。スタッフが作成したコンテンツと同様に、エンドユーザーのコンテンツの公開方法も制御することができます。このモデレーション機能と、Zendeskが提供するその他のスパム防止ツールを使用することで、質の高いコンテンツのみをヘルプセンターに公開することができます。
ヘルプセンター立ち上げ前の最終ステップ
ヘルプセンターのデザインが完成し、ナレッジベースのコンテンツが作成されて使用可能な状態になったら、ヘルプセンターをアクティブにしてカスタマーに公開することができます。ただし、本格的な運用を開始する前に、いくつかの作業を行う必要があります。Webアドレス(URLドメイン名)をカスタマイズしたり、Google Analyticsを設定して、Webサイトの典型的な使用状況やエンゲージメントのメトリックを追跡できるようにしておくとよいでしょう。
オートリプライによるサポートの自動化
ナレッジベースを作成する多くの利点の1つは、ナレッジベースを使って自動化されたカスタマーサポートを提供できることです。これには、Zendeskボットを利用したオートリプライ機能を使用し、ナレッジベースの関連記事へのリンクを使用して、メールやWebフォームで受信したサポートリクエストに自動的に応答するように設定します。ナレッジベースの関連記事へのリンクは、カスタマーがサポートの問題を自力で解決するのに役立ちます。ボットは、サポートリクエストで使用されている単語をすばやく調べて、適切な記事を選択して提示します。
オートリプライは、Webフォームやモバイルアプリ、Webおよびモバイルのメッセージング(次のセクションで説明)などでも使用できます。詳細については、「Zendeskボットを使用できる場所について」を参照してください。
ローンチのタスク
また、いつ、どのようにオートリプライを使用するかを定義するビジネスルールを作成する必要があります。このタスクは、後述の「チケットルーティングとワークフローの定義」セクションで説明します。
Webおよびモバイルのメッセージングチャネルの設定
セルフサービスの重要性とカスタマー満足度の向上、そして自動化による利便性とコスト削減の観点から、メッセージングを設定したりボットを追加したりするときに、これらの機能がWeb Widgetやモバイルチャネルから受け取るサポートリクエストの最初の回答者となるように設定することを検討してください。この2つの機能を共に使用することで、エンドユーザーはエージェントに問い合わせる前に、問題に対する回答を見つけることができます。
メッセージングチャネルを設定する際に、WebサイトやヘルプセンターのWeb Widgetや、モバイルアプリを通じてサポートをリクエストしたユーザーに表示するデフォルトの応答をカスタマイズできます。この応答では、カスタマーに関する情報と問題の内容を求めると同時に、カスタマーが問題を自己解決するのに役立つある記事(ある場合は)を提案します。
Webやメッセージングチャネルに会話ボットを導入すると、カスタマーがメッセージングに入力したリクエスト内容に応じて、サポート方法の選択肢を提示できます。カスタマーは、質問へのすばやい回答、問題解決に役立ちそうなナレッジベース記事へのリンク、オンラインエージェントへの接続などから、希望するサポートを選択できます。カスタム回答フローを設計することで、ボットを企業の仕様に合わせてカスタマイズすることができます。
メッセージングには、問題解決のために、自動メッセージングによる会話と、エージェントによるオンラインでの会話の2つのパスが用意されています。また、メールや音声などの他のチャネルを使ってエージェントからカスタマーにコンタクトをとることもできます。
まずメッセージングチャネルを作成してから、次にナレッジベース記事やカスタム回答を提示するボットを追加し、エージェントのサポートリクエスト通知ルールを整理して作成し、エージェントにメッセージング会話を処理するためのアクセス権を与えることができます。
ローンチのタスク
メッセージング用にWeb Widgetをカスタマイズ設定する | 記事 | |||
AndroidアプリとiOSアプリ用にメッセージングをカスタマイズ設定する | 記事 | |||
メッセージングチャネルに会話ボットを追加する | 記事 | |||
回答を設定してボットをカスタマイズする | 記事 | |||
メッセージングチケットをルーティングしてエージェントに通知する | 記事 | |||
エージェントにメッセージングへのアクセスを許可する | 記事 |
現在、または以前にZendesk Chatを使用してオンラインチャットサポートを提供していた場合、チャットからメッセージングに移行する必要があります。この場合は、別の設定手順が必要ですが、手順自体は似ています。
最後のステップは、Webサイト、ヘルプセンター、またはモバイルアプリに組み込まれたサポートエクスペリエンスでメッセージングを本番稼働させることです。これらの手順については、後述の「本番稼働」で説明します。
音声通話チャネルの設定
エージェントは、エージェントワークスペース内で、メッセージング経由でカスタマーと音声通話チャネルで会話を開始することができます。また、ヘルプセンターやWebサイト内のリンク経由でサポートの電話番号をカスタマーに公開し、直接電話を受けることもできます。
Zendesk Talkで音声通話チャネルを設定するには、カスタマーに提供する電話番号を1つ以上追加し、音声によるメッセージを設定し、ボイスメールの設定を行い、SMSテキストメッセージを有効にするなどの作業を行います。
ローンチのタスク
音声通話チャネルの有効化、電話番号の追加、エージェントの割り当て
ネットワークを準備する | 記事 | |||
Talkの電話番号の利用条件を確認する | 記事 | |||
Talkを有効にする | 記事 | |||
エージェントにTalkへのアクセスを許可する | 記事 | |||
電話番号を追加する | 記事 | |||
住所を追加する | 記事 |
グローバル音声通話の設定
電話番号の設定
個々の電話番号を設定する | 記事 | |||
オーバーフロー用の電話番号を追加する | 記事 | |||
ボイスメールオプションを設定する | 記事 | |||
折り返し電話を有効にする | 記事 | |||
フェイルオーバー用Talkの電話番号の設定 | 記事 | |||
TextのSMSサポートを有効にする | 記事 |
* Zendesk SuiteのProfessionalプラン以上のプランで利用できます。
最後のステップは、音声通話チャネルをカスタマーに公開することです。これについては、後述の「カスタマーへの本番稼働」で説明します。
チケットルーティングとワークフローの定義
準備が整ったところで、次はワークフローを設定し、受信チケットや更新されたチケットをSupportでどのように処理するかを設定します。たとえば、特定のエージェントグループへのチケットのルーティングを自動化したり、さまざまな条件(チャネル別、グループ別など)に基づいてチケットのビューを作成するなど、ビジネスルールの定義を始められます。
お使いのZendesk Suiteプランにスキルベースルーティングが含まれている場合は、最初に設定する必要があります。これらのスキルが、トリガや自動化などで作成するビジネスルールで使用されるからです。プランにスキルベースルーティングが含まれていない場合は、他の方法でチケットをエージェントやグループに簡単に割り当てることができます。
Zendeskのルーティングとワークフローのツールにまだ慣れていない方のために、以下に簡単に説明します。
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トリガ:チケットが作成または更新された直後に実行される、イベントベースのビジネスルールです。たとえば、VIPのお客様から受け取ったチケットに高い優先度を自動的に割り当てることができます。
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自動化:経過時間に基づいてアカウントでアクションを実行する時間ベースのビジネスルールです。たとえば、チケットがタイムリーに回答されていない場合は、自動化によって優先順位が上がり、マネージャーに通知されます。
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ビュー:定義された特定の条件に基づいて、チケットを動的に整理します。たとえば、24時間以上前に受信した未割り当てチケットのビューを作成することができます。全エージェントに共有されるビューを作成したり、エージェントが自分のチケットについて個人用のビューを作成することができます。
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マクロ:エージェントがワンクリックでチケットに適用する、プリセットアクションのセットです。たとえば、1つの標準的な回答が可能なサポートリクエスト用のマクロを作成できます。
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サービスレベルアグリーメント(SLA)は、お客様とお客様のカスタマーとの間の契約であり、一定期間内にチケットに対応して解決することを約束するものです。SLAを使用すると、チケットに対応するエージェントが、各チケットが期限切れになるまでの残り時間を確認できるため、優先順位付けが容易になります。
チケットルーティングのオプションの概要については、「受信チケットのルーティングオプション」をご覧ください。
ワークフローを設定し、受信チケットや更新されたチケットをSupportでどのように処理するかを設定します。
エージェントのトレーニング
エージェントワークスペースは、エージェントが、設定したすべてのコミュニケーションチャネル(メール、オンラインチャット、音声通話、メッセージングなど)のすべてのサポートリクエストを管理できるチケットインターフェイスです。
サポートソリューションを本格運用する前に、エージェントワークスペースの使い方のトレーニングをエージェントに行う必要があります。以下の記事を参考にしてください。
完全なエージェントガイドは、Support用エージェントガイドでご覧いただけます。エージェントガイドには、チケットの管理や解決に必要な情報がすべて記載されています。
また、Zendeskチームが提供する無料のエージェントトレーニングコースもこちらからご覧いただけます。本番稼働前のテスト
Zendeskアカウントには、カスタマー向けの本番インスタンスのほかに、標準サンドボックスと呼ばれるテスト環境インスタンスがあります。サンドボックスインスタンスは、一般に公開する前に、Zendeskセットアップの一部をテストするために使用します。標準サンドボックスでは、メールテンプレート、ブランド設定、チャネルなど、カスタマーのサポートエクスペリエンスの一部をテストすることができます。
EnterpriseおよびEnterprise Plusプランには、プレミアムサンドボックスが含まれており、Zendeskアカウントの本番バージョンをより詳細にテストすることができます。たとえば、本番環境に近い環境で、ワークフローのテスト、インテグレーションの実験、新しいエージェントのトレーニングなどを行うことができます。
カスタマーへの本番稼働
本番稼動とは、ヘルプセンターを有効にして、埋め込みサポートのエクスペリエンスをカスタマーに公開し、外部のサポートコンタクトポイントをZendeskアカウントに誘導することを意味します(たとえば、既存のメールアドレスに送信されたメールメッセージを、新しいZendeskのサポート用メールアドレスに転送するなど)。
これで、サポートソリューションをカスタマーが利用できるようになりました。
ソーシャルメッセージングチャネルの追加
カスタマーとのコミュニケーションにソーシャルメディアのメッセージングも使用している場合は、本番稼動時にそれらのソーシャルメディアをチャネルとして設定することができます。Facebook、X(旧Twitter)、WhatsApp、LINE、WeChatを追加できます。これらのチャネルから届いたカスタマーのメッセージはチケットに変換され、エージェントはこれらのサードパーティのチャネルからのメッセージに対応することができます。Facebook Messenger、WhatsApp、Instagram DMをWeb Widgetにリンクすることで、プラットフォームをまたいでメッセージングの会話を継続することができ、メールにソーシャルメディアのボタンを追加することもできます。
また、Viber、Telegram、Apple Messages for Businessを、Sunshine Conversationsを使用して追加することもできます。Sunshine Conversationsは、Zendesk Suiteに含まれているSunshine開発者プラットフォームの一部です。
管理者センターで、人気のソーシャルメディアチャネルを追加することができます。
レポートと分析機能によるパフォーマンスの監視
Zendeskのサポートソリューションが稼働すると、カスタマーサポートの重要なメトリックを追跡できるようになり、カスタマーへのサポート状況やスタッフのチケット処理状況を把握できるようになります。
詳細なレポートと分析は、Zendesk Exploreで提供されます。Exploreには、Zendeskの各製品に対応したダッシュボードやレポートがあらかじめ用意されています。Zendesk SuiteのProfessional、EnterpriseおよびEnterprise Plusでは、独自のレポートとダッシュボードを作成することもできます。
まず、Exploreを有効にして、選択したエージェントに使用できるようにする必要があります。Exploreの詳細については、「Zendesk Exploreの使い方」を参照してください。
最後に、これまでに作成された多数のレシピを使用して、さまざまな一般的なビジネスシナリオに対応したレポートやダッシュボードを設定することができます。「Exploreレシピのリファレンス」を参照してください。
さらに、音声通話チャネルのアクティビティを監視するためのライブアクティビティダッシュボードも用意されています。詳しくは、「Talkダッシュボードでのコールアクティビティの分析」を参照してください。
グローバルサポートの提供
カスタマーが世界中にいる場合は、サポートも世界中に提供する必要があります。そのためには、カスタマーのタイムゾーンや言語に対応し、カスタマーとエージェントや管理者の両方に完全に翻訳された言語体験を提供することが必要です。
Zendeskでは、特定の地域や言語で業務を行うよう設定することができ、それに合わせて営業時間を設定することができます。また、ビジネスルールを設定することで、24時間365日、follow-the-sunモデルでサポートを管理することができます。
サポートソリューションの管理者やエージェントのインターフェイス、カスタマー向けの要素は、いずれも複数の言語で表示できます。また、カスタムコンテンツ(ビジネスルール、ヘルプセンターのインターフェイス、ナレッジベースの記事に含まれる言葉)も簡単に他の言語に翻訳することができます。
エージェントおよびチームの生産性の向上
エージェントワークスペースのワークフローやチャネル管理の効率化に加えて、エージェントやチームの生産性を向上させるために、他の多くの機能を有効にしたり、多くのサポートアプリをインストールすることができます。これには、エージェントのコラボレーション、外部リソースとのコラボレーション、エージェントのナレッジベース共有が含まれ、また、サポートチームやヘルプセンターのリソースとのカスタマーの過去のやりとりの状況に関するデータやインサイトを提供します。
顧客基盤の維持と拡大
カスタマーを満足させることは、カスタマーを維持するだけでなく、顧客基盤の拡大にもつながります。これにはいくつかの側面があります。
まず、現在のサポートに満足しているかをカスタマーに尋ねる必要があります。そのためには、CSATアンケートを有効にします。CSATアンケートは、チケットが解決した後にカスタマーに送信されます。また、メッセージングやオンラインチャットのセッションが終了した後に、フィードバックを提供するよう求めることもできます。
さらに、プロアクティブな機能として、カスタマーがヘルプセンターやWebサイトにアクセスした際にチャットウィンドウを表示したり、チケットを事前に作成してサービスの停止をカスタマーに知らせたり、サブスクリプションの更新時期を通知したりすることもできます(これは一例であり、他にもさまざまな使い方ができます)。
最後に、Exploreでは、カスタマー満足度、エージェントやチームのパフォーマンス、顧客離れの警告サインとなるデータなど、カスタマーサポートに欠かせない多くのメトリックを提供しています。ぜひご活用ください。